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ドレイク方程式

辞書:科学用語の基礎知識 天文学編 (UAST)
読み:ドレイクほうていしき
外語:drake equation 英語
品詞:名詞
2002/05/23 作成
2013/06/02 更新

宇宙に、どれほどの文明を持った地球外生命体が存在するかを推定するための方程式。宇宙文明数方程式。

1960(昭和35)年、アメリカ合衆国ウエストバージニア州グリーンバンクの電波望遠鏡で、宇宙人からの電波信号を受信するべく「オズマ計画」を実行に移した天文学者がいた。彼の名はフランク・ドレイク(Frank Drake)である。

計画の翌年、彼は銀河系の中にどれだけの文明が存在するかを計算するための方程式を提案した。これが通称「ドレイク方程式」である。

一般に流布されている数式は、以下の通りである。

N=R*×fp×ne×fl×fi×fc×L

各パラメーターの意味は、次の通りである。

  • N=銀河系内に存在する高等文明(地球人と交信可能な文明)の数
  • R*=銀河系内で誕生する恒星の数の年平均
  • fp=恒星が惑星を伴っている確率
  • ne=一つの恒星が持っている生命存在可能な惑星の平均数
  • fl=その惑星に生命の発生する確率
  • fi=そうした生命が人類のような高等生命に進化する確率
  • fc=その高等生命が他の星に対して通信を行なえるような高等文明を構築する確率
  • L=高等文明の継続時間

推定値

この式の項の殆どは、確実な定数が決められない。ゆえに研究者の主観などが入る余地が存在する。

以下は、1961年にドレイクらが仮定したパラメーターである。

  • R*=1[個/年] (少なくとも年に1個は誕生するだろうとの仮定、実際より少なめに仮定した)
  • fp=0.2〜0.5 (恒星の20%〜半分が惑星を持つと仮定した)
  • ne=1〜5 (惑星を持つ恒星は、そのうちハビタブルゾーンに1〜5個を持つと仮定)
  • fl=1 (生命が存在できる惑星には100%生命が誕生すると仮定)
  • fi=1 (生命が存在できる惑星には100%高等生物まで進化すると仮定)
  • fc=0.1〜0.2 (そのうち10%〜20%程度が交信する気になると仮定)
  • L=1000〜1億 (高等文明は1000年から1億年くらい存続すると仮定)

全てのパラメーターを最小で計算すると、L=1000年でN=20個、L=1億で200万個となる。

全てのパラメーターを最大で計算すると、L=1000年でN=500個、L=1億で5000万個となる。

補足

実際には、このドレイクらが仮定したパラメーターは、不完全と見込まれる。

そこで、パラメーターについて、再検討して再計算してみることにする。

  • R*=10[個/年] (銀河系の全寿命で平均すれば、恐らく誕生する恒星の数は年平均で10個程度にはなると仮定)
  • fp=0.5 (ここでは、恒星の半分が惑星を持つと仮定した)
  • ne=1 (太陽系のハビタブルゾーン内は地球1個だけなので、仮に1とする)
  • fl=1 (生命が存在できる惑星には100%生命が誕生すると仮定)
  • fi=0.01 (高等生物まで進化する確率は、定かではないが、少なめに1%程度と推定)
  • fc=0.1 (そのうち10%程度が交信する技術を持ち、交信する気になると仮定)
  • L=1万年 (地球人の今後を考えると、あと1万年無事に維持できたら御の字である。そこで仮に1万年とする)

殆どのパラメーターが憶測の域を出ていないが、この例では、N=50個と求められた。

いずれにせよ、どのような値を代入してみても大抵はN≫1(1より遥かに大きい)となり、それなりの数の高度文明が銀河系に存在しうることを示す。

しかしながら現時点では異星の文明は観測できておらず、ここから求められる推定値は、N≈1(1にほぼ等しい)ということになる。

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