vi

読み:ヴィーアイ
外語:vi: visual 英語
品詞:商品名

多くのUNIXに標準添付されている、スクリーン指向のテクストエディター

目次

大元は、それ以前の標準だったラインエディターの「ed」で、その拡張版「ex」の「visualモード」として作られている。

元がラインエディターであるためか、参照(カーソル移動可能)状態と、編集可能状態を切り替えて使用する「モード型エディター」であるのが最大の特徴である。

visualモード

元々viは、exのコマンドラインでvisual又はviと入力するとviモードになる、というものだった。viという名前で起動された場合は、最初からvisualモードになる。

従って、最初からviとして起動していても、Qコマンドでexに戻ることができる。

キー操作

viは、hjklによるカーソル移動も含め、殆どの操作をホームポジションで出来る、特異な操作性を持っている。

viはhjklでカーソルを←↓↑→にそれぞれ移動する。なぜhjklなのかというと、作者Bill Joyが使っていたADM-3aというCRT端末のキーボードにはhjklのキーにカーソルの矢印が刻印されていたためである。端末機能としてはCtrlキーと共に押下するとカーソルが移動可能だったが、viではCtrlキーなしで移動可能に実装したわけである。

もう一つUNIX界隈で有名なエディターにEmacsがあるが、こちらはCtrlを多様するため、普段viを使う人はEmacsを「指がつるエディター」と呼び嫌っている。viとEmacsのどちらが素晴しいかについては昔から「聖戦」が繰り広げられているが、Emacsファンでも、簡単な編集作業ではviを使う人も多い(巨大なEmacsよりも小型のviの方が起動が速いため)。

Bill Joy

viは熱狂的なファンにより未だに現存しているが、原作者であるBSDを作った一人「Bill Joy」(後にSun Microsystemsに所属)は作った事を後悔しているという。

彼の言葉によると「viがこんなに普及すると分かっていたら、私はviを作らなかっただろう」。

実は、当初は「マルチウィンドウ」で「プログラマブル」なエディターにする予定だったのだが、作る途中でディスクとバックアップテープがクラッシュしたため、3つほどバージョンを戻した物が現在世に出ているviであると言われている。

viは、恐らく全てのUNIXおよびUNIX系システムに含まれている。

但しそのviは、オリジナルのviとは限らず、実際には互換品あるいは拡張版である可能性が高い。

  • Vim ‐ Vi IMproved (Linuxなどでは標準添付されている可能性が高い)
  • nvi ‐ FreeBSDの標準添付
  • elvis

System V

System V UNIXでは、「/bin/ex」「/bin/vi」「/bin/view」は共にハードリンクされている。

FreeBSD

FreeBSDでは場所が違うが、同様に「/usr/bin/ex」「/usr/bin/vi」「/usr/bin/view」などは共にハードリンクされている。

ちなみにFreeBSDの/usr/bin/viは、ただのviではなく「nvi」である。

Linux

Linuxでは、Linuxディストリビューションごとに差があるが、次のような実装がある。

  • /bin/vi が実体で、/bin/ex と /bin/view は共に、/bin/vi に対するシンボリックリンク
  • /usr/bin/vi、/usr/bin/ex、/usr/bin/view、/usr/bin/vim、/usr/bin/vimdiff、/usr/bin/rview、/usr/bin/rvim は /etc/alternatives/* へのシンボリックリンクで、それら全てが更に実体である /usr/bin/vim.basic へのシンボリックリンク

現在の主要なLinuxディストリビューションでは、viはただのviではなく「VIM - Vi IMproved」であり、Vimを採用しているディストリビューションでは後者となっていることが多い。

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