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ニッケルカドミウム蓄電池

辞書:科学用語の基礎知識 電子部品電池編 (NELECB)
読み:ニッケル・カドミウム・ちくでんち
外語:Ni-Cd: Nickel-Cadmium Battery 英語
品詞:名詞
2004/07/14 更新

一般に "ニッカド電池" と呼ばれ、充電して何度も再利用できる、いわゆる二次電池の中で最も一般的なもの。正極にオキシ水酸化ニッケル、負極にカドミウム、電解液に水酸化カリウム水溶液を用いている。

スウェーデンのユングナーがエジソン電池と呼ばれていた電池を改良して発明した。その後、1947(昭和22)年頃になると容器を密閉化することが可能になり現在の形の原型ができた。

1962(昭和37)年頃から充電式シェーバーの内蔵電池などに使用されるようになり、近年ではビデオムービーやノートパソコン携帯電話などの携帯機器で大量に使われている。外形は乾電池のサイズに合わせた物が多く、特に単3形サイズの物が多い。ノートパソコン用などのバッテリーでは、これらの単電池を数本組み合わせてケースに収めている。最近はこのような用途での体積効率を高めるために角形の外形(ガム状)にした物もある。

主な特徴として500回以上の充放電寿命があり、取り扱いが容易で過酷な使用条件に耐える(充電:0〜45℃、放電:−20〜60℃、保存:−30〜80℃)点や、過放電に強い、などがある。さらに用途に応じて急速充電用などのいろいろな特性の物が製造されている。

電気的特性では、公称電圧は1.2Vで、放電終止電圧は1.0V。放電終了までの全放電時間を通じて平坦な電圧特性を示す。1.2Vの電圧は乾電池より低いが、電池が数本の機器なら乾電池の代わりに使用できる。乾電池と比較して内部抵抗が低いため大電流を取り出せる。ストロボなどの比較的大電流の機器に使うと効果的である。

この電池では比較的大電流での使用ができ、連続で3C、瞬間で10C程度の電流を取り出せる。充電は0.1Cの電流で15時間(625Beat)行なうのが標準で、電池自体が対応していれば0.2Cで7.5時間(312.5Beat)のように、時間を縮めることができる。電気容量は単3形サイズの物で700mAh前後、単2形サイズの物で2000mAh前後である。なお、3Cや10Cは電池の電流を表記容量の相対値で表わしたもので、例えば700mAhの電池の場合では1C=700mAで、3C=2100mA、10C=7000mA(7A)となる。

この電池のもっとも特徴的な現象としてメモリー効果と呼ばれるものがある。最後まで放電しないうちに充電するとノートパソコンなどでは早く電池アラームが鳴るようになり、実質的な使用時間が短くなってしまう。そのため、必ず放電が終了してから充電しなければならない。

コラム(ニッケルカドミウム蓄電池の反応式)
      2NiOOH  + 2H2O  +  Cd  ←→ 2Ni(OH)2 + Cd(OH)2
      (正極)  (電解液) (負極)      (正極)    (負極)
                        充電←  →放電
電解液は苛性カリ水溶液KOHであるが, 見かけ上反応には関与しない.

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