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放射線

辞書:科学用語の基礎知識 素粒子・用語編 (NPARTY)
読み:ほうしゃせん
外語:radiation 英語
品詞:名詞
1999/02/09 作成
2010/10/25 更新

高いエネルギーを持った電磁波や粒子線。

明確な定義があるわけではないが、高エネルギーであることが一般的な条件となっている。但し、中性子線は例外で、どれだけ低エネルギーであっても放射線に含まれる。

放射線は、特に強い電離作用や蛍光作用を有する。例えば、周波数の高い電磁波であるγ線X線は強い電離作用を持ち放射線と呼ばれるが、これより若干周波数とエネルギーが低い紫外線は、電離作用を持っていてもその作用が強くないため放射線とは呼ばれない。

日本の政令などで、放射線と呼ばれるものには、次のようなものがある。

法的には、「核燃料物質、核原料物質、原子炉及び放射線の定義に関する政令」の第4条(放射線)で次に掲げる電磁波又は粒子線を放射線と呼んでいる。

  1. α線、重陽子線、陽子線その他の重荷電粒子線及びβ線
  2. 中性子線
  3. γ線及び特性X線(軌道電子捕獲に伴って発生する特性X線に限る)
  4. 1MeV以上のエネルギーを有する電子線及びX線

グレイ

吸収した放射線のエネルギー総量(吸収線量)を表わすSI単位。記号はGyで、J/kgで定義される。

古くはラド(記号はrad)が使われていた。1グレイは100ラドに相当する。

シーベルト

人体に吸収される放射線の影響を数値化したもの。吸収線量(グレイ)に、放射線の種類ごとの係数を乗じて算出する。記号はSvである。

古くはレム(記号はrem)が使われていた。1シーベルトは100レムに相当する。

レントゲン

照射した放射線の総量(照射線量)を表わす単位だが、SIには採用されなかった。

0℃1気圧の空気中で、2.58×10−4クーロン/kgの電離を発生させる照射線量が1レントゲンと定義されている。

SIに採用されなかった敗因は、℃に加え、気圧、空気中といった曖昧な条件ばかりだったためと思われる。

ラド

吸収線量の古い単位。記号はradだが、現在はグレイ(Gy)に置き換わった。

放射線を吸収した物質温度上昇を求めるものだった。

1ラドは0.01J/kgに相当し、もって0.01グレイに相当する。

レム

吸収線量の古い単位。記号はremだが、現在はシーベルト(Sv)に置き換わった。

吸収線量(ラド)に、放射線の種類ごとの係数を乗じて算出した。

1レムは0.01シーベルトに相当する。

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