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シーベルト

辞書:科学用語の基礎知識 素粒子・用語編 (NPARTY)
読み:シーベルト
外語:Sv: Sievert 英語
品詞:名詞,単位助数詞
2011/03/15 作成
2016/05/02 更新

人体に吸収される放射線の影響(放射線被曝)を数値化したもの。放射線が人体に与える影響を表わす単位。記号はSvである。

吸収線量(グレイ)に、放射線の種類ごとの係数を乗じて算出する。古くはレム(記号はrem)が使われていた。1Sv=100rem、1rem=10mSvに相当する。

シーベルト(Sv)もグレイ(Gy)も、同じ「J/kg」の次元の単位であるが、考え方が違っている。放射線には様々な種類が存在し人体が放射線を吸収した場合には種類(α線、β線、など)ごとに人体に対する影響に差がある。β線に対しα線は、同じエネルギー(例えば1グレイの吸収線量)が与えられても20倍ほど影響が大きい。そこで、実際の物理量であるグレイに対し、人体への影響を示す係数(1〜20)を掛けて、これをシーベルトと呼ぶ。

シーベルトは、人体への影響を基準とした単位である。

係数

Gyが物理量の単位なのに対し、Svは防護量の単位である。現行の放射線障害防止法も、被曝の単位としてシーベルトが使われている。

ここで掛けられる係数は、β線X線γ線では1、α線や重粒子線は20、中性子線はエネルギーにより5/10/20のいずれかの値となる。

バケツ臨界のJCO事故など特殊な場合を除き、一般的に被曝はX線やγ線が主なので、Gy=Svと扱っても大きな問題にはならない。

規模

↑強い

  • 103シーベルト (kSv)
    • 4Sv 半数致死
  • 100シーベルト (Sv)
    • 500mSv 血液像変化
  • 10−3シーベルト (mSv)
    • 2.4mSv 年間の自然放射能
  • 10−6シーベルト (µSv)
    • 7µSv 一日の自然放射能

↓弱い

放射線被曝

大自然には放射線があふれている。太陽も、太陽風として日々放射線を放っており、放射線は常に地球に降り注いでいる。また土や岩といったものにも放射性同位体は大量に含まれることから、大自然から放射線は常に放射され、生物は常に放射線被曝している。

土壌や標高などに左右されることになるが、人間1人あたり世界平均で年間約2.4ミリシーベルト自然放射線を浴びるとされる。

外部被爆と内部被爆

体外にある放射性物質から放射線を受けることを外部被曝、体内に摂取した食品などに含まれる放射性物質から放射線を受けることを内部被曝という。

「シーベルト」という単位は「人体への影響を数値化したもの」であるため、内部被爆と外部被爆の差は無関係である。

「同じシーベルトでも内部被曝の方が影響が大きい」などと言っている人は詐欺師なので、注意が必要である。

体内半減期

放射性元素は、確率的に、半減期ごとに核分裂をし放射線を出す。

半減期を過ぎると比較的短期間で消滅することから、概ね、危険な期間は半減期の間ということになる。

体内の放射性元素、例えば放射性セシウムの物理的半減期は30年であるが、体内からは排出されるため、体内にとどまる量としての半減期(体内半減期)は100日程度となる。

このような点を加味して、ベクレルあたりのシーベルト値は決められているのである。

人体への影響

僅かな放射線を浴びても人体への影響はなく、若干多いのはむしろ新陳代謝をもたらし健康に良いとする説もある(例えばラジウム温泉)。但し、大量の放射線は人体に有害である。

一説によれば、一回での線量ごとの影響は次のとおりとされる。

  • 0.1シーベルト(100ミリシーベルト): がんになる人が増えはじめる
  • 0.25シーベルト(250ミリシーベルト): 白血球が一時的に減少する
  • 0.5シーベルト(500ミリシーベルト): 末梢血中のリンパ球が減少する
  • 1シーベルト(1000ミリシーベルト): 10%の人が嘔吐を催す
  • 4シーベルト(4000ミリシーベルト): 半数致死量(LD50)
  • 6〜7シーベルト(6〜7000ミリシーベルト): 99%致死量(LD99)

200ミリシーベルト以上の線量では、線量の増加とがん発生率の増加が比例的な関係となる。線量が1シーベルト(1000ミリシーベルト)に達すると、がんの増加発生率は自然発生率の60パーセント(つまり合計して1.6倍)にもなる。

つまり、放射線も効果的な量の範囲はあり、ある程度は被曝するのが健康のためには良いため必須であるが、度を超えれば有害ということである。「過ぎたるは及ばざるがごとし」と昔から言われているとおりで、例えば塩分は一定量はないと死んでしまうため必須であるが塩分の摂り過ぎは高血圧や様々な疾患をもたらすのと同様である。

主な被曝量

Svはシーベルト。

Sv→1/1000→mSv→1/1000→µSv→1/1000→nSv

被曝量については時と場合により変化するので、必ずしもこの通りとは限らない。また実際の生活ではそれぞれで独立して被曝することになるので、合計する必要がある。更に、一回あたり、一時間、一日、など単位が混在しているので注意。

↑弱い

10−12シーベルト (pSv)

  • 0.1nSv ‐ 日本の原電から周辺に放射される放射線量の実際値で一時間(0.001mSv/年未満)

10−9シーベルト (nSv)

  • 6nSv ‐ 日本の原電で、周辺に住んだ時の放射線量の目標値で一時間(0.05mSv/年)
  • 50nSv ‐ 誰かと一緒に寝る
  • 100nSv ‐ バナナを一本食べる

10−6シーベルト (µSv)

  • 1µSv(1000nSv) ‐ 日本の原子力発電所の周辺に一年間住む(実際値、自然放射線は含まない)
  • 3.5µSv ‐ 福島原電の周囲の平均的な都市で一日過ごす(2011(平成23)年3月17日現在)
  • 20µSv ‐ 口腔レントゲン撮影(小型写真)
  • 40µSv ‐ 口腔パノラマ撮影(大型写真)
  • 40µSv ‐ ニューヨークからロサンゼルスまで飛行機に乗る
  • 50µSv ‐ 日本の原子力発電所の周辺に一年間住む(目標値)
  • 72µSv ‐ 世田谷ラジウム問題で、室内での24時間線量 (目安)
  • 60µSv ‐ 三朝温泉(鳥取県)の泉水を1リットル吸い込む(ラドン濃度683.3マッヘとした場合)
  • 80µSv ‐ スリーマイル島原電事故で周囲16km以内にいた人の平均被曝量
  • 100µSv ‐ 乳房レントゲン撮影(マンモグラフィー使用時、目安)
  • 260µSv ‐ 柏崎刈場原子力発電所のモニタリングポストの位置で一年間(約30nGy/h)、自然放射線を含む
  • 390µSv ‐ 体内の放射性カリウムが一年間に発する放射線量
  • 600µSv ‐ 世田谷ラジウム問題で発見された夜光塗料瓶の表面放射線量(一時間)

10−3シーベルト (mSv)

  • 1mSv(1000µSv) ‐ スリーマイル島原電事故で観測された最大被曝量
  • 2.1mSv ‐ 日本で、一年間に受ける自然放射線量の平均
  • 2.4mSv ‐ 世界平均で、一年間に受ける自然放射線量の平均
  • 3.6mSv ‐ 2011(平成23)年3月16日と翌日、福島原電の50km北東で観測された放射線量(他のエリアでは殆ど上昇していない)
  • 4mSv ‐ 胃透視(バリウム検査) (目安。変動あり)
  • 6mSv ‐ チェルノブイリ原電近辺での一時間あたりの放射線量(2010(平成22)年)、但し場所により大きく変動あり
  • 7mSv ‐ 胸部CT検査 (目安)
  • 20mSv ‐ 腹部CT検査 (目安)
  • 26mSv ‐ 世田谷ラジウム問題で、24時間室内にいた場合の年間線量 (目安)
  • 30mSv ‐ 頭部CT検査 (1スキャンの目安、20スキャンで570mSv程度)
  • 50mSv ‐ アメリカ国内の原子力産業従事者の年間許容被曝量
  • 80mSv ‐ たばこを1日1.5箱吸った場合の1年での被曝量
  • 100mSv ‐ 短時間で浴びたとき、がんのリスク向上が見られる最低被曝量
  • 400mSv ‐ 短時間で浴びたとき、毒性が見られる被曝量(場合による)

100シーベルト (Sv)

  • 2Sv(2000mSv) ‐ 短時間で浴びたとき、死亡する可能性もある深刻な被曝
  • 4Sv ‐ 短時間で浴びたとき、助からない可能性のある非常に深刻な被曝
  • 8Sv ‐ 短時間で浴びたときの、致死被曝量
  • 50Sv ‐ 事故直後のチェルノブイリ原電の炉心が10分間に発した放射線量

↓強い

国際単位系では、SI接頭語を付けることで微小または巨大な値を簡潔に表現できる。

以下は、SI的に可能性のありそうな単位である。実際には、その殆どは使用実績が無い。

  • ヨクトシーベルト(ySv) 10−24
  • ゼプトシーベルト(zSv) 10−21
  • アトシーベルト(aSv) 10−18
  • フェムトシーベルト(fSv) 10−15
  • ピコシーベルト(pSv) 10−12
  • ナノシーベルト(nSv) 10−9
  • マイクロシーベルト(µSv) 10−6
  • ミリシーベルト(mSv) 10−3
  • センチシーベルト(cSv) 10−2
  • デシシーベルト(dSv) 10−1
  • シーベルト(Sv) 100
  • デカシーベルト(daSv) 101
  • ヘクトシーベルト(hSv) 102
  • キロシーベルト(kSv) 103
  • メガシーベルト(MSv) 106
  • ギガシーベルト(GSv) 109
  • テラシーベルト(TSv) 1012
  • ペタシーベルト(PSv) 1015
  • エクサシーベルト(ESv) 1018
  • ゼタシーベルト(ZSv) 1021
  • ヨタシーベルト(YSv) 1024

しかしヨタシーベルトなどの単位は現実的でなく、このような単位を使ってもヨタ話と言われる。

用語の所属
放射線
SV
関連する用語
放射線被曝
グレイ
LNT仮説

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