間質性肺炎

読み:かんしつせいはいえん
品詞:名詞

の間質を中心に生じる肺の炎症性疾患(肺炎)の総称。

目次

肺の間質は、肺で酸素交換をする部分である肺胞の壁(肺胞壁)や肺胞を取り囲んで支持する組織のことであり、この部位に生じる炎症性疾患を間質性肺炎という。

間質性肺炎は、炎症が進むにつれ肺胞の壁部分(肺胞壁)が厚くなり肺胞の形状も不規則に変化し、肺全体が固くなっていく。結果として、肺は膨らみにくくなり肺活量は落ち、肺胞の機能も低下することで酸素の吸収効率も悪化、もって息苦しくなっていく。

進行すると、肺は縮み、一部は繊維化し機能しなくなる。こうなると肺機能は落ち、血液中の酸素量(酸素飽和度)が不足し、呼吸不全を来す。

病態

肺機能の低下に伴う呼吸困難(息切れ)と、咳嗽(がいそう、いわゆる咳)が主たる症状である。

進行すると呼吸不全状態になるため酸素吸入などが必要になる。

一般に、単に肺炎と言った場合は気管支や肺胞の炎症をいうが、間質に生じる炎症は一般の肺炎とは異なる症状や経過を示すため区別される。

診断

胸部聴診で、パチパチ、パリパリという特徴的な音が聞かれ、これはマジックテープを剥がす時の音に似ている。

胸部画像検査(単純X線およびCT)で肺の中の病変の部位や進行状況が確認される。

呼吸機能検査も実施し、重症度を判定する。肺活量の測定のほかに、酸素を取り込む能力を評価する拡散能検査を実施することもある。

血液検査では、炎症の強さを判定する。炎症の血液検査としてはLDH、血沈CRPなどがあるが、これは間質性肺炎に特異的なものではなく、通常の肺炎でも上昇する。間質性肺炎では次のような肺組織の破壊程度を調べる検査が実施される。

  • 肺サーファクタント蛋白-A (SP-A)
  • 肺サーファクタント蛋白-D (SP-D)
  • 間質性肺炎 (KL-6)

治療

間質性肺炎は現在有効な治療法は見出されていない。このため、基本的には対処療法であり、薬物療法は炎症を抑え症状を緩和させるが完治できるわけではなく、進行を遅らせるに過ぎない。また、一度繊維化した病巣が元に戻ることはない。

このため、特発性間質性肺炎や、間質性肺炎の原因となるサルコイドーシスなどの疾患は国指定の難病(いわゆる「不治の病」)に指定されている。

現在、薬物療法で治療効果が認められているものにステロイド剤と免疫抑制剤がある。また特発性肺線維症に対しては、抗線維化剤(ピルフェニドン、ニンテダニブ)を用いて肺の繊維化を低減させる。

肺機能低下に伴い血液中の酸素が不足する場合は、酸素濃縮器または液体酸素のタンクを用いて鼻からの酸素吸入を実施する。

用語の所属
肺炎

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