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ノーベル賞

辞書:文化用語の基礎知識 文化編 (LBUNKA)
読み:ノーベルしょう
外語:Novel Prize 英語 , 诺贝尔奖 大陸簡体 , 諾貝爾獎 台灣正體
品詞:固有名詞
2001/11/05 作成
2016/11/17 更新

ダイナマイトを発明したスウェーデン人、アルフレッド・ベルナルド・ノーベル(1833(天保4)年〜1896(明治29)年の遺言により設立された賞。

由来

ノーベルはダイナマイトの発明により巨万の富を得た。ダイナマイトはトンネル工事などに無くてはならないものとなったが、同時に戦争の兵器としても使われるようになった。ノーベルはこれを深く悲しんだ。

ノーベルはこの悲しみを元にして、遺言に「基金を設立し、その利子を毎年、その前年に人類のためにもっとも貢献をした人に賞として与えよ」、「利子は5等分し、物理学の分野で最も重要な発見ないし発明をした人(物理学賞)、化学の分野でもっとも重要な発見ないし発明をした人(化学賞)、生理学ないし医学の分野で最も重要な発見をした人(生理学・医学賞)、文学の分野で理想主義的な最もすぐれた作品を生み出した人(文学賞)、国家間の友好と軍隊の廃止ないし削減と平和会議の開催ないし推進の為に最も尽くした人(平和賞)に与える」と残した。

財団

この遺言を元に財団が作られ、1901(明治34)年からノーベル賞が与えられるようになった。

1969(昭和44)年からはノーベル経済学賞が新設され、現在は6部門になっているが、経済学賞は「ノーベルの名前を記念した賞」という位置付けであり、ノーベル財団+スウェーデン銀行創立300周年を記念して創設された基金からの定期的予算支出である。ノーベル財団からの支出ではない。

委員会

(経済学賞を除いた)ノーベル賞はスウェーデンのノーベル委員会が決めるのに対し、平和賞だけはノルウェーの委員会が決める。

この理由は諸説あるが、はっきりとは分かっていない。

種類

現在存在するノーベル賞は、次の6種類である。

選考

選考過程はその時点では公表されない。

受賞者の発表は毎年10月頃に順次行なわれ、ノーベルの命日である12月10日に授賞式が催される。

ノーベル賞の受賞資格は、受賞する年の10月時点で生存していること。但し、発表後、12月の授賞式までの間に死亡しても、その賞が取り消されることはない。

賞金

受賞者に対しては、賞金と記念メダル、ならびに賞状が授与される。

ノーベルの遺産を原資に、投資によって得られた利息が賞金となる。従って金額は毎年変わる可能性があるが、2000(平成12)年は900万スウェーデン・クローナ、2001(平成13)年以降は1000万スウェーデン・クローナであり、日本円にして約1億円である。

受賞人数

各部門ごとに、最大で三人まで同時に受賞できる。

受賞理由が、複数人による共同研究であったり、あるいは共同ではないが複数人の業績により達成された件について表彰される場合、複数人に対し表彰されることになる。但し、文学賞は原則として一人のみ受賞でき、平和賞についてはその特徴から団体での受賞が認められている。

賞金はその人数で分割されることになる。共同でないなら各々1/3ずつ山分け、一人の功績と二人の共同の功績であるなら、一人と一つの共同に1/2ずつ、ということになる。

物理学賞

ノーベル物理学賞は、物理学の分野で最も重要な発見ないし発明をした人に与えられる賞である。

ノーベル賞において、最も意義深いものと考えられている。

2015(平成27)年までで日本人はこれまで7回受賞しており、単独で4回(計4名)、共同で3回(計6名、南部、中村を入れると計8名)である。

化学賞

ノーベル化学賞は、化学の分野でもっとも重要な発見ないし発明に与えられる賞である。

日本人はこれまで6回受賞しており、単独で5回(計5名)、共同で1回(計2名)である。

生理学・医学賞

ノーベル生理学・医学賞は、生理学ないし医学の分野で最も重要な発見をした人に与えられる賞である。

日本人はこれまで4回受賞している。

平和賞と文学賞

ノーベル賞のうち、ノーベル平和賞とノーベル文学賞は本来、受賞すべきと一般には考えにくい人が受賞することがあるなど選考理由が曖昧であり、存在意義を疑う意見もある。

だが、ノーベルがこの賞を作ったことには、理由があるとされる。

平和賞は、彼が好きだった女性が平和運動活動家だったから、と言われる。結果としてフられてしまったが、後に彼女はノーベル平和賞を受賞したそうである。他に、戦争の道具となるダイナマイトを作ってしまった反省から平和賞を創設した、とする説もある。

ノーベル賞に文学賞があるのは、彼がヘタクソなポエムを書いては文芸誌に送りつけるお文学趣味があったからだとされる。そういう意味で、大江健三郎にはお似合いの賞だ、とする厳しい論評もある。

経済学賞

ノーベル経済学賞は、市場主義者が受賞する傾向が強く、他の賞とは傾向が異なっている。受賞者はアメリカ人が多く、全体的には欧米人が受賞する賞である。

ノーベルは社会民主主義者であり、政治の介入をもってこそ市場は機能するという考え方であったが、ノーベル経済学賞はスウェーデン中央銀行が与える賞であるため、マーケット寄りとなっている。そのためにノーベルの考え方と異なる賞にノーベルの名が使われることとなっていて、ノーベルの子孫の中にはノーベル経済学賞を批判する人もいる。

日本人は過去一人もノーベル経済学賞を受賞していない。

理由は明白で、日本の経済学者のうちマーケット中心のメカニズムを持っている人は半分程度しかいないこと、残りの半分はマルクス主義者(つまり共産主義者)やその他であり、受賞候補者では無いことがある。

日本の戦後の経済学は欧米型の経済学ではなく、共産主義であるマルクス経済学に毒されていた。日本の経済学の基礎が発展する重要な時期に無益なマルクス経済学ばかりだったというのは、日本にとって大きな損害であった。その後も独自の経済学が発展したこともあり、正統派とされる経済学とは趣を異にしていることも、ノーベル経済学賞と縁遠い理由である。

数学賞

ノーベル数学賞は無い。この理由については諸説あって良く分かっていない。

ノーベルは数学が嫌いだったためという説、また、当時ノーベルととても仲が悪かったマグナス・グスタフ(イェスタ)・ミッタク=レフラー(Magnus Gustaf (Gösta) Mittag-Leffler)という優秀な数学者がおり、彼に賞を贈りたくなかったためという説などがある。

現在、ノーベル数学賞に相当する賞は、フィールズ賞やアーベル賞である。

日本人はこれまで、経済学賞を除く全ての賞を、少なくとも1回以上受賞している。

年別一覧

受賞年受賞者受賞分野出身大学
1949(昭和24)年湯川秀樹物理学京大 理学部物理学科
1965(昭和40)年朝永振一郎物理学京大 理学部物理学科
1968(昭和43)年川端康成文学東大 文学部国文学科
1973(昭和48)年江崎玲於奈物理学東大 理学部物理学科
1974(昭和49)年佐藤栄作平和東大 法学部独法科
1981(昭和56)年福井謙一化学京大 工学部工業化学科
1987(昭和62)年利根川進生理学・医学京大 理学部化学科
1994(平成6)年大江健三郎文学東大 文学部仏文科
2000(平成12)年白川英樹化学東工大 化学工学科
2001(平成13)年野依良治化学京大 工学部工業化学科
2002(平成14)年小柴昌俊物理学東大 理学部物理学科
田中耕一化学東北大 工学部電気工学科
2008(平成20)年南部陽一郎 (※)物理学東大 理学部物理学科
益川敏英名大 理学部
小林誠名大 理学部
下村脩化学長崎医科大(現 長崎大)
2010(平成22)年鈴木章化学北海道大 理学部化学科
根岸英一東大 工学部応用化学科
2012(平成24)年山中伸弥生理学・医学神戸大 医学部
2014(平成26)年赤﨑勇物理学京大 理学部
天野浩名大 工学部
中村修二(※)徳島大学
2015(平成27)年大村智生理学・医学山梨大/東京理科大
梶田隆章物理学埼玉大 理学部
2016(平成28)年大隅良典生理学・医学東大 教養学部

※南部陽一郎は、日本生まれだがアメリカに帰化し、アメリカ国籍となっている。このため科学技術白書など公式文書では米国の受賞者として扱われる。但し、受賞理由『「自発的対称性の破れ」の発見』の論文発表時点では日本国籍である。

※中村修二は、日本生まれだがアメリカに帰化し、アメリカ国籍となっている。このため科学技術白書など公式文書では米国の受賞者として扱われる。但し、受賞理由『青色LEDの実用化』時点では日本国籍である。

出身地別一覧

幼少に育った場所ごとの一覧。出生地が異なる場合は出生地を併記した。

  • 北海道
    • 鈴木章 (化学、2010(平成22)年)
  • 関東地方
    • 埼玉県
      • 梶田隆章 (物理学、2015(平成27)年)
    • 神奈川県
      • 小柴昌俊 (物理学、2002(平成14)年) 出生は愛知県。横須賀市名誉市民
      • 根岸英一 (化学、2010(平成22)年) 出生は満州国新京(現 中華人民共和国吉林省長春市)
  • 北陸地方
    • 富山県
      • 利根川進 (生理学・医学、1987(昭和62)年) 出生は愛知県、その後各地を点々。実質は富山出身
      • 田中耕一 (化学、2002(平成14)年)
    • 福井県
      • 南部陽一郎 (物理学、2008(平成20)年)
  • 甲信越地方
    • 山梨県
      • 大村智 (生理学・医学、2015(平成27)年)
  • 東海地方
    • 岐阜県
      • 白川英樹 (化学、2000(平成12)年) 出生は東京、その後台湾、満州、小学校から岐阜
    • 静岡県
      • 天野浩 (物理学、2014(平成26)年)
    • 愛知県
      • 益川敏英 (物理学、2008(平成20)年)
      • 小林誠 (物理学、2008(平成20)年)
  • 近畿地方
    • 京都府
      • 湯川秀樹 (物理学、1949(昭和24)年) 出生は東京、1歳で京都に移住
      • 朝永振一郎 (物理学、1965(昭和40)年) 出生は東京、7歳で京都に移住
      • 江崎玲於奈 (物理学、1973(昭和48)年) 出生は大阪府
      • 下村脩 (化学、2008(平成20)年)
    • 大阪府
      • 川端康成 (文学、1968(昭和43)年)
      • 福井謙一 (化学、1981(昭和56)年) 出生は奈良県
    • 兵庫県
      • 野依良治 (化学、2001(平成13)年)
    • 奈良県
      • 山中伸弥 (生理学・医学、2012(平成24)年) 出生は大阪府
  • 中国地方
    • 山口県
      • 佐藤栄作 (平和、1974(昭和49)年)
  • 四国地方
    • 愛媛県
      • 大江健三郎 (文学、1994(平成6)年)
      • 中村修二 (物理学、2014(平成26)年)
  • 九州地方
    • 福岡県
      • 大隅良典 (生理学・医学、2016(平成28)年)
    • 鹿児島県

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