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筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原

辞書:文化用語の基礎知識 民俗学東洋・神道編 (LFOLKES)
読み:ちくしの・ひむかの・たちばなの・おどの・あはきはら
品詞:その他地名
2005/10/20 作成
2010/03/20 更新

日本神話黄泉の国の物語において、黄泉の国から戻った伊邪那岐命(イザナギノミコト)は、この沼で(みそぎ)をした。

なおこれは古事記による記述で、日本書紀では、〜橘の小戸の檍原、と書かれている。

黄泉国から帰った伊邪那岐命は、筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原で禊祓いをした。

身に着けていた杖や帯、衣などを投げ捨てると、そこから神々が生まれた。

水をかぶると、次々と神が生まれた。

最後に左目をすすぐと天照大神、右目をすすぐと月読命、鼻をすすぐと須佐之男命の三神が生まれた。この三柱の神を三貴子という。

重要な神々が生まれた場所であり、日本神話の原点ともいえる。

ここまで細かく神の出現した場所が語られているのは日本神話では他に類例が無い。それだけ、ここで生まれた神々は重要だということの証左でもある。

この場所は現在の九州は宮崎県宮崎市阿波岐原町にあたる。

湾岸のフェニックス・シーガイア・リゾートの近くに江田神社という神社があり、その北にある市民の森の中の沼が、伊邪那岐命が禊をした沼だとされている。

また「橘」は、阿波岐原町より南にある大きな川、大淀川に掛かる橋の橘橋や、その界隈(国道220号沿い)の宮崎市橘通に名を残している。今は別の地に移ってしまったが、かつては池の近くに小戸神社という神社もあり、「小戸」(小門)の名が残されていた。

「阿波岐原」は町名として今もまさに存在する。

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