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ISO 9660

辞書:電算用語の基礎知識 技術ディスク・論理編 (TTDISKL)
読み:アイエスオウきゅうろくろくゼロ
外語:ISO 9660 英語
品詞:固有名詞
1999/08/28 作成
2007/08/31 更新

CD-ROM論理フォーマットの仕様。ファイルシステムなどに関する仕様が規定されている。

起源

この標準化前にもCDをROMとして使うケースはあったが、昔は標準のフォーマットが無かった。

そこで1985(昭和60)年にApple ComputerMicrosoftなどが米国ネバダ州のハイシエラホテルに集まり、CD-ROMの標準化に向けた初の会議が開催された。ここに集まったメンバーはホテル名からHigh Sierra Groupと称され、1986(昭和61)年に提案されたフォーマットはHigh Sierra Format(HSF)と名付けられた。

このHSFをベースとして1988(昭和63)年に国際標準化されたものが、ISO 9660-1988である。

このISO標準に対応する国内標準は、JIS X 0606である。

略史

  • 1985(昭和60)年: High Sierra Groupの結成
  • 1986(昭和61)年: High Sierra Format(HSF)の提案
  • 1988(昭和63)年: ISO 9660-1988制定
  • 1999(平成11)年: ISO/IEC DIS 9660:1999

しかし、最終的にはISO 9660-1988の改訂はDIS投票により廃止され、なくなった。今後はDVD(ISO 13490:1995)に移行する、というのが主たる理由であった。

このため、現在でも最新版はISO 9660であって、ISO/IEC 9660ではない。

特徴

CDは、読み取り専用の媒体である。

つまり、後からファイルが追加されたり、またその位置や構成が変わることが無いという特徴を生かして、検索を高速化するための仕様や、ファイルの部分共有などの仕様も含まれている。

水準

ISO 9660では、当時あった多くのOSに対応可能なように、情報交換の水準というものが規定された。水準は1から3まであり、3がフルスペックとなる。

MS-DOSMac OSは水準1まで、Windows 95以降とUNIXは水準3まで利用できる。だが、一般に用いられているのは互換性を考慮して水準1である。

基本

基本的な仕様は次の通りだが、水準によっては制限される。

  • ディレクトリは最大8階層(ルートディレクトリを含む)
  • ファイル名は「.」を除く名前と拡張子の合計が30文字以内
  • ディレクトリ名は31文字以内
  • 使用可能文字は、数字、英大文字、アンダースコア「_」の37種類

水準1

最も基本的な仕様。MS-DOSに配慮したものである。

  • ファイル名は8.3形式(ファイル名8文字、拡張子3文字)
  • ディレクトリ名は8文字(拡張子は不可)
  • 一つのファイルは常に連続したブロックに記録されねばならず、分割は不可

水準2

水準2は水準1に対し、ファイル名の制限を緩和したものである。

  • ファイル名は仕様通り。
  • ディレクトリ名も仕様通り。
  • 一つのファイルは常に連続したブロックに記録されねばならず、分割は不可

水準3

水準3は水準2にファイル分割を追加したもので、ファイルは連続したブロックになくてもよい。

全ての仕様が使える水準で、一切の制限はない。

拡張仕様

現実として水準3でさえも機能が不足しているため、様々なフォーマットが作られ、使われている。

関連するリンク
CD-Rの記録についてあれこれ
ISO 9660 CD-ROMファイルシステムの概要
物理フォーマット仕様
CD
CD-R
CD-RW
アプリケーション仕様
CD-ROM
関連技術
ファイルシステム
フォーマット
ファイル

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