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スペクトル分類

辞書:科学用語の基礎知識 天文学編 (UAST)
読み:スペクトルぶんるい
外語:spectral classification 英語
品詞:名詞
2020/08/28 作成

恒星の分類方法の一つ。表面温度による分類を原則とし、さらに天体の本来の明るさを表わす光度階級を足すMK分類が現在の主流となっている。

ハーバード式分類法によるスペクトル型(英字1字)に、これを更に10等分した0〜9(数字が小さい方が高温)の1桁数字を附したものに、MK分類による光度階級を加える。

加えて、スペクトル観測において特徴的なものがあったときは、その後に更に小文字で添え字を加える。

表面温度

表面温度と対応するスペクトル型の記号を用いる。

一般に、高温なものから順に、O()‐B‐A(青白)‐F(白)‐G()‐K()‐M()となるが、後に記号が多数拡張されている。

高温側からABC順に並んでいないのは、ハーバード大学の研究中に付けられた記号が由来なため。当初は色と温度の関係が知られていなかったため、ありふれた色から順にABC…と記号を振っていった。後に色と表面温度の関係が判明したため、これを表面温度順に並べるとO‐B‐A‐F‐G‐K‐Mというデタラメな順番になってしまった。

表面温度(K)
O型≧30,000
B型10,000-30,000青〜青白
A型7,500-10,000青白〜白
F型6,000-7,500白〜黄白
G型5,200-6,000
K型3,700-5,200
M型2,400-3,700
表面温度(K)
L型1,300-3,000暗赤
T型750-1,000暗赤(赤外線)

光度階級

光度階級は、その天体の大きさで、予測される本来の明るさに対応するローマ数字である。MK分類を用いて表記する。

元々は1~5(ⅠⅡⅢⅣⅤ)が使われたが、後に0と6〜7(ⅥⅦ)が拡張されている。ローマ数字に0はないのでこれは算用数字で0とするが、6と7もsdやDなどと表現することが多々ある。

  • OかⅠa+ = 極超巨星(Hypergiants)
  • Ⅰ = 超巨星(supergiant)
    • Ⅰa = 明るい超巨星
    • Ⅰab = 中規模の明るさの超巨星
    • Ⅰb = あまり明るくない超巨星
  • Ⅱ = 輝巨星(brightgiant)
  • Ⅲ = 巨星(giant)
  • Ⅳ = 準巨星(subgiant)
  • Ⅴ = 矮星(dwarf)または主系列星(main sequence)
  • Ⅵかsd = 準矮星(Subdwarf)
  • ⅦかD = 白色矮星(White Dwarf)

添え字

スペクトルに特徴的な要素がある場合は、小文字でそれを付記する。記号の意味は色々な論文が好き勝手に定義を追加しているため混然としているが、色々な論文で使われた実績のあるものを混然と一覧にしておく。

  • : = 不確定のスペクトル値
  • … = 省略されたスペクトル値が存在する
  • ! = 特殊である
  • comp = 複合スペクトル
  • e = スペクトルに輝線を含む(普通の吸収線に加えて)
  • [e] = 禁制線の輝線を含む
  • er = 反転遷移輝線の中心が端より弱い
  • eq = P Cyg プロファイルの輝線を含む
  • f = NⅢおよびHeⅡの輝線を含む
  • f* = NⅣ λ4058Åの輝線が、NⅢ λ4634Å、λ4640Å、λ4642Åよりも強い
  • f+ = NⅢに加えて、SiⅣ λ4089Åとλ4116Åの輝線を含む
  • (f) = NⅢの輝線があるが、HeⅡがないか弱い吸収線である
  • (f+)
  • ((f)) = 弱いNⅢ輝線を伴う強いHeⅡ吸収線
  • ((f*))
  • h = 水素の輝線を伴うWR星
  • ha = 水素の輝線と吸収線の双方が見られるWR星
  • He wk = 弱いヘリウム線 (He wやHe wlとも)
  • k = 星間吸収が認められるスペクトル
  • m = Am星(A型金属線星)の特徴が認められる
  • n = 吸収線の幅が広い(主に星の自転による)
  • nn = 吸収線の幅が非常に広い
  • neb = 星雲のスペクトルが混在している
  • p = 不確定で特殊な様相をもつもの、特異な星 (元素記号を併記することもある)
  • pq = 新星にも似た特異なスペクトル
  • q = P Cyg プロファイル
  • s = 吸収線の幅が狭い(鋭い)
  • ss = 吸収線の幅が非常に狭い
  • sh = ガス殻星(シェル星)の特徴が認められる
  • v = varの略(→ var)
  • var = スペクトルの変化が認められる
  • wl = 弱い ("w" や "wk" とも。例: He wl)
  • 元素記号 = スペクトル線に特に強く現れる元素
関連する用語
スペクトル型
MK分類

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