塩酸メチルフェニデート

読み:えんさんメチルフェニデート
外語:Methylphenidate Hydrochloride 英語
品詞:名詞

中枢神経系興奮剤(覚醒剤)の一つ。

目次

  • 分子式: C14H19NO2·HCl
  • 分子量: 269.77
  • 融点: 約205℃(分解)
  • 沸点: 沸点以下で分解する
  • CAS番号: 298-59-9
  • 化学名:
    • Methyl α-phenyl-2-piperidineacetate hydrochloride

塩酸メチルフェニデート
塩酸メチルフェニデート

常温常圧乾燥下では、白色の結晶性の粉末で無臭。

チバガイギー社が、鬱病の治療薬として開発した薬である。

効果・効能

ナルコレプシー(居眠り病)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などに効果があるとされる。

難治性鬱病、遷延性鬱病にも使われる。

薬効薬理

これは覚醒剤の成分と極めて類似していて、言うなれば「合法の覚醒剤」である。

治療薬ではなく病状を紛らわす薬だが、覚醒剤特有の高揚感がとても良いらしく愛用者が多い。覚醒アミンであるため薬理はヒロポンなどに似ているが、薬効は劣る。

中には、この薬欲しさで病院を掛け持ちしたり、はたまた闇で薬が売買されたりなどで乱用が問題化した。

結果、メーカーも適応を変更し、効能又は効果から「軽症鬱病、抑鬱神経症」を削除した。そして薬の管理/規制も厳しくなった。

現在では、ナルコレプシー(居眠り病)以外ではなかなか処方されない。

用法、用量

ナルコレプシー(居眠り病)では、塩酸メチルフェニデートとして、通常成人1日20mg〜60mgを1〜2回に分割経口服用する。

鬱病では、塩酸メチルフェニデートとして、通常成人1日20mg〜30mgを2〜3回に分割経口服用する。

年齢・症状に応じて適宜増減する。

副作用など

口渇、発汗、頭痛、食欲減退などが確認されている。

覚醒効果があるため、夕方以降に服用すると夜眠れなくなる恐れもある。そのため服用は昼間の内が望ましい。

また続けているうちに依存症が出ることが避けられないので、医師の指導をよく守ることも重要である。

  • 精神神経系
    • 頭痛・頭重 (5%以上)
    • 注意集中困難 (5%以上)
    • 神経過敏 (5%以上)
    • 不眠、眠気 (5%以上)
  • 消化器系
    • 口渇 (5%以上)
    • 食欲不振 (5%以上)
    • 胃部不快感 (5%以上)
    • 便秘 (5%以上)
  • 循環器
    • 心悸亢進 (5%以上)
    • 不整脈 (5%以上)
  • 過敏症
    • 発疹 (5%未満、注意)
    • 関節痛 (5%未満、注意)
    • 紅斑等 (頻度不明、注意)
  • その他
    • 排尿障害 (5%以上)
    • 性欲減退 (5%以上)
    • 発汗 (5%以上)
    • 筋緊張 (5%以上)

過敏症(発疹、関節痛、紅斑等)が生じた場合は服用を中止すること。

規制区分

  • リタリン (日本チバガイギー/ノバルティスファーマ)
  • コンサータ (ヤンセンファーマ)
物質の特徴
覚醒剤
第一種向精神薬
適用
鬱病
関連する用語
リタリン
ヒロポン

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