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自然科学 > 医学 > 薬学 > 薬剤 > 成分・薬効分類 > 中枢神経用剤(11) > 興奮剤・覚醒剤(115)
神経を興奮させ、眠気や疲労感、不安などを抑える薬。睡眠薬の逆の薬ともいえる。
大きくアンフェタミン系とメタンフェタミン系に分けられ、後者の方が効果が強い。アドレナリン(脳内麻薬)と同様の作用を持っている。
昔ならヒロポン、今ならシャブが覚醒剤の代名詞である。
シャブの効果を簡単に言えば、スーパーサイヤ人になれる。但し最初のうちだけで、すぐに耐性が付き、お金もなくなり体も壊して不幸になる。
実際の経験者によると、これは「元気の前借り」だそうである。利子が物凄い前借りだという。
覚醒剤の怖さは、耐性が生じるのが早いことにあり、依存症になる量に耐性が到達しやすいことにある。
依存性自体は低いと考えられており、依存性のうち身体依存は、酒や煙草、コーヒー、寝る前のオナニーよりは低いとされている。問題は精神依存であり、酒や煙草などと比較して、一回目の使用における衝撃が激しい。
たとえ覚醒剤を辞めることはできたとしても、その快感は忘れることができないため、一生我慢し続けなければならない。これがいわゆる精神依存という依存性である。
そして常用すると、体は覚醒剤なしでは機能しなくなるようになる。このため、依存性が低いとは言っても実際に始めると、なかなか抜け出せなくなる。数ある違法薬物の中でも、「一度ハマると抜けられない」とされているのが覚醒剤である。
そもそも、なぜ覚醒剤を使うと廃人にまでなるかというと、精神依存が進んでまともな社会生活が送れなくなるからであり、そして常習の末は、体の機能が破壊された「廃人」である。廃人の治療は非常に困難である。
かくして、自力で回復できず社会的にも負荷の高い病人を作ることになるため、覚醒剤はどこの国でも禁止されているわけである。
覚醒剤が辞められなくなり依存性を持つのは、脳内麻薬の代替として機能するからである。
脳の黒質から分泌される神経伝達物質であるホルモン(ドーパミンは、アドレナリンやノルアドレナリン)に変化し興奮や快楽をもたらすため脳内麻薬と呼ばれているが、覚醒剤(アンフェタミン、メタンフェタミン)の分子構造はドーパミンに類似しているため、同様の効果をもたらす。
結果、黒質はドーパミン(および類似物質)が過剰にならないように産生を中止し、やがて黒質変性を招き黒質は機能しなくなる。そして、脳は一度死んだら再生しない。二度と正常な黒質は生えてこないのである。
こうなると、「クスリ」無しでは生きられなくなる。黒質が変性すればするほど、「クスリ」なしでは快楽を感じなくなる。そして「クスリ」を打ち続けると、どんどん黒質は変性しドーパミンが出なくなるという悪循環に陥り、最後には全くドーパミンが産生されなくなるという致命的状況になる。こうなると、晴れて完全な廃人である。
さて、ドーパミンの量変化は副交感神経の神経伝達物質アセチルコリンにも影響する。ドーパミンが減少するとアセチルコリンが増加する、その逆なら逆になるという拮抗関係があるが、このバランス変化により運動障害を招く。パーキンソン病は原因を同じくする病気だが、廃人になってもパーキンソン病のように体が動かなくなる。
またドーパミンが減少または欠乏すると、ドーパミンから作られるノルアドレナリンやアドレナリンも減少または欠乏するため、覚醒レベルや、交感神経の働きが悪くなり、致命的である。
覚醒剤が「利子が物凄い元気の前借り」とは、そういうことなのである。そして人は、その「物凄い利子」を返す力を持っていない。
覚醒剤常習者は、殆どが痩せている。というよりは、やつれている。それも病的に。
覚醒剤を使用すると食欲が失われることや、覚醒剤は高いことから食事を最低限にして覚醒剤購入費用を捻出するなどのため、痩せるのだと考えられている。
このため「すぐにやせられる薬がある」などとして覚醒剤に誘う例がよくあるとされる。
覚醒剤常習者の殆どは、みな似たような顔立ちに変化する。
明らかに不健康そうな土気色の顔色となり、顔には吹き出物が噴出、頬はこけ顔は歪み、そして死んだ魚のような目をしている。
覚醒剤捜査を担当する捜査官は、顔を見ればすぐに常習者かどうか分かるというほど、見るに堪えない病的な顔に変化してしまう。
また、合法ドラッグ(昨今では危険ドラッグとも)やハーブなどであっても、ケミカルなものを連用すると殆ど例外なく同様の顔になる。
1990年代末からは北朝鮮経由での密輸が増加し、日本での流通量の7割は北朝鮮からの密輸物となった。
なぜなら、
後に北朝鮮船籍の全船に立ち入り調査するようになってからは押収量が激減し、2002(平成14)年の押収量は387.9kgで4割が北朝鮮製だったが、2003(平成15)年の押収量は僅か1.9kgと、前年の0.5%に激減したとされる。大変喜ばしいことである。
商売としてのヤクの旨味は、巨大な利鞘が稼げるところにある。
北朝鮮も最初は小規模にやっていたが、利益率が極めて良いことと、
もちろん、それは当時の金正日の命令に基づいていた。馬鹿は楽して儲けたがるからである。
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