乗用車の燃料

読み:じょうようしゃのねんりょう
品詞:名詞

燃料のうち、乗用車を走行させるために用いるもの。

目次

乗用車の燃料が何であるかは、搭載するエンジンによって変わる。

現在の二大潮流は次の通りである。

上二つはいずれも石油系の液体燃料を用いる内燃機関である。また次のようなものもある。

  • LPガス (日本のタクシーの殆どがこれ)

昨今では、次のような非石油系燃料を普及させるための努力がなされている。

ガソリンと軽油

用途の違い

一般的に、乗用車はガソリンエンジン、バス・トラックはディーゼルエンジンが搭載されており、燃料が使い分けられている。

特性にも差があり、ガソリンエンジンは出力を発揮しやすいため乗用車向きであり、ディーゼルエンジンは大きなトルクを発揮しやすいため重たい荷物を積載するバスやトラックに向いている。

性質の違い

ガソリン車は、ガソリンでしか走らない。日本では「レギュラー」「ハイオク」の二種類のガソリンが販売されている。

ガソリンと軽油は全く性質の異なる油であり、燃え方も大きく違う。従って、ガソリンエンジンに軽油を入れたり、ディーゼルエンジンにガソリンを入れた場合、正常に燃焼できず、最悪でエンジンが故障する。

  • 引火点
    • ガソリン −43℃以下
    • 軽油 40℃〜70℃
  • 発火点
    • 軽油 250℃
    • ガソリン 300℃

加えて「ガソリンは火が付きやすい」「軽油は火が付きにくいが、加熱すると自然発火する」という性質がある。従って、ガソリンエンジンではガソリンに火を付ける機構を持ち、ディーゼルエンジンは軽油を強く圧縮して加熱することで自然発火させている。

上のような性質とエンジンの原理から、次のようなことが予測される。

軽油→ガソリンエンジン
軽油は引火点が高いため、ガソリンエンジンの圧縮熱では温度が低く着火ミスが生じ、エンジンが動かない
ガソリン→ディーゼルエンジン
ガソリンは発火点が高いため、ディーゼルエンジンの圧縮熱では温度が低く自然発火せず、エンジンが動かない

誤給油

トラックの運転手はたいていはプロなので、よほどのことがない限りはディーゼル車にガソリンを誤給油するようなことはない。

しかしガソリンに対して軽油は価格が安いこともあり、セルフなどでガソリン車に軽油を給油する事故が多発しているほか、人のいるガソリンスタンドででも、軽自動車やプリウスで(安い)軽油の給油を要求する客の発生が確認されている。

ガソリンエンジンに軽油を入れても動かないが、運転後、既に高温になったエンジンに対して給油した場合は事情が異なる。高温のガソリンエンジンにオクタン価が低すぎる軽油が流れ込むと軽油が勝手に燃え始めてしまいノッキングを起こし始める。エンジンも点火時期を調整してバランスを取ろうと試みるが、そもそも油種が全く違うのでそのうちエンジンが止まってしまう。

水素

現在日本では、半国策として水素の普及に全力している。

多くの場合、水素を用いた燃料電池で発電して走る燃料電池車であるが、マツダロータリーエンジン(水素ロータリーエンジン)のような内燃機関もある。

いずれもまだ実用化されているとは言えない状態であるが、ガソリンスタンドのように水素スタンドが普及すれば、車両も普及する可能性がある。

アルコール

アルコール、特にエタノールメタノールを用いた乗用車も開発されている。水素とどちらが普及するのかは未知数である。

こちらも水素と同様に、燃料電池と内燃機関の二種類がありうる。

燃料電池での主流は、直接型燃料電池 (DFC)として、直接メタノール燃料電池(DMFC)と直接エタノール燃料電池(DEFC)がある。

内燃機関としては、ガソリンにエタノールなどを混ぜた「アルコール混合ガソリン」が使用されることもある。日本の場合、韓国LGグループのLGケミカルが開発したガイアックスなどの高濃度アルコール燃料が密売されていたことがあるが、所詮は脱税燃料に過ぎず、軽油引取税が課せられた時点で価格面で終了となった。

朝鮮人同士の仲間割れなどもあり、いろいろな商品が登場したようだが、既に過去の話である。

このような論外は置いておくとして、真面目な議論としては、ガソリンに数%から10%程度のエタノール(特にバイオエタノール)を混合して使用することは模索されてはいる。

関連する用語
ガソリン
軽油
軽自動車の燃料は軽油

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