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交通系ICカード全国相互利用

辞書:鉄道用語の基礎知識 鉄道編 (RAIL)
読み:こうつうけい・アイスィーカード・ぜんこくそうごりよう
品詞:名詞
2013/03/25 作成
2016/03/01 更新

ICカード乗車券を全国で利用できるようにするサービス。2013(平成25)年3月23日開始。

10種類のICカード乗車券を全国で相互利用するとしてサービスが開始された。

これにより、北海道から九州までの鉄道52、バス96事業者を網羅した。全国に約9千駅あるうちの約半分となる、4275駅の自動改札機などを、1枚のカードで通過することができるようになった。

但し、複数のエリアを跨ぐ利用には対応していない。

参加カード

10種類のうち、PiTaPaのみポストペイ(後払い)のクレジットカードである。事前のチャージ機能もあり、交通利用はこのチャージを用いる。但しPiTaPaは、電子マネーの相互運用は未対応で、チャージ額を電子マネーとして利用することはできない。

エリア

各ICカードには利用可能なエリアが存在するが、そのうち一つのエリア内で完結する乗車にのみ利用できる。

全10種類のカードで、次のエリアが存在する。

  • Kitacaエリア
  • Suica
    • 首都圏エリア
    • 仙台エリア
    • 新潟エリア
  • PASMOエリア
  • TOICAエリア
  • manacaエリア
  • ICOCA
    • 近畿圏エリア
    • 岡山・広島エリア
  • PiTaPaエリア
  • SUGOCA
    • 福岡・佐賀・大分・熊本エリア
    • 長崎エリア
    • 鹿児島エリア
  • nimocaエリア
  • はやかけんエリア

但し、首都圏のSuicaエリアとPASMOエリア、および九州のSUGOCAエリアとはやかけんエリアの一部の相互直通区間は、またがって利用できる。

またこのほか、独自ICカードを利用する事業者で片道でSuica等相互利用交通系ICカードを受け入れる事業者もある。

運用規模

10種類の発行カード枚数は、2013(平成25)年2月末時点で計8198万枚。

電子マネーはPiTaPaを除く9種類で相互利用され、加盟店舗数は約20万店。

これは、電子マネー専業となる、7500万枚の楽天Edy、3100万枚のWAON、2145万枚のnanacoを遥かに上回る規模となる。

入場時カード残額

各エリアごと(カードごとではない)に、入場できる最低カード残高が決まっている。

  • 北海道
    • JR北海道 Kitacaエリア ‐ 初乗り運賃未満では入場不可
  • 関東周辺
    • JR東日本 Suicaエリア ‐ 初乗り運賃(IC運賃)未満では入場不可
    • 私鉄各社 PASMOエリア ‐ 初乗り運賃(IC運賃)未満では入場不可
  • 東海
    • JR東海 TOICAエリア ‐ 残額が0円でも入場可
    • 私鉄各社 manacaエリア ‐ 残額が0円でも入場可
  • 近畿
    • JR西日本 ICOCAエリア ‐ 残額0円では入場不可 (要1円以上)
    • 私鉄各社 PiTaPaエリア ‐ 原則として、10円未満では入場不可 (要10円以上、ただし事業者により異なる可能性あり)
  • 九州
    • SUGOCAエリア ‐ 10円未満では入場不可 (要10円以上)
    • nimocaエリア ‐ 10円未満では入場不可 (要10円以上)
    • はやかけんエリア ‐ 10円未満では入場不可 (要10円以上)

金額ごとにまとめると次の通りである。

  • 入場に残額初乗り必要 ‐ Suica、PASMO、Kitaca
  • 入場に残額10円必要 ‐ Pitapa、SUGOCA、nimoca、はやかけん
  • 入場に残額1円必要 ‐ ICOCA
  • 入場に残額必要なし ‐ TOICA、manaca

JR東海はお客様をお客様と考えているのに対して、JR東日本はお客様を泥棒と考えているという会社の姿勢がここから伺うことができる。

つまり、TOICAエリアやmanacaエリアでは、けちくさいSuicaを使用した場合であっても残高0円で入場できる。出場時に精算するだけでよいので、乗りたい電車を乗り過ごすことはない(※駆け込み乗車は危険ですのでおやめ下さい)。

チャージ

開始当初は、全ての事業者で1000円単位でのチャージしかできなかった。降車時に残額不足が生じた場合も同様である。

クレームが多かったためか、徐々に改善はされているが、まだまだ自由な額をチャージできるには至っていない。

各エリアでは、相互利用している他エリアのカードでも同じ条件でチャージすることになる。

  • 北海道
    • JR北海道 Kitacaエリア ‐ チャージは500円から、精算時は不足額を10円単位でチャージ可能
  • 関東周辺
    • JR東日本 Suicaエリア ‐ チャージは500円から、精算時は不足額を10円単位でチャージ可能
    • 私鉄各社 PASMOエリア ‐ 券売機や自動精算機で10円単位のチャージが可能
  • 東海
    • JR東海 TOICAエリア ‐ 1000円単位のみ
    • 私鉄各社 manacaエリア ‐ 1000円単位のみ
  • 近畿
    • JR西日本 ICOCAエリア ‐ 1000円単位のみ (1000円ICOCA(デポジットを除くと500円)も僅かながら販売されている)
    • 私鉄各社 PiTaPaエリア ‐ 原則1000円単位のみだが、条件により10円単位でチャージ可能な事業者がある
      • 京阪 ‐ チャージは1000円単位のみ、精算時は不足額を10円単位でチャージ可能
      • 近鉄 ‐ チャージは1000円単位のみ、精算時は不足額を10円単位でチャージ可能
      • 阪神 ‐ チャージは1000円単位のみ、自動精算機では精算以外でも10円単位でチャージ可能
      • 山陽 ‐ チャージは1000円単位のみ、自動精算機では精算以外でも10円単位でチャージ可能
      • 大阪市営 ‐ チャージは1000円単位のみ、自動精算機では精算以外でも10円単位でチャージ可能
      • その他 ‐ 1000円単位のみ
  • 九州

manacaエリア

manacaエリアであっても、以下の路線は全国相互利用サービスの対象外。

PiTaPaエリア

PiTaPaエリアであっても、以下の路線は全国相互利用サービスの対象外となっている(2015(平成27)年4月17日現在。なお、※がついたものは2016(平成28)年4月1日より全国相互利用サービスに対応する。

  • 鉄道
  • バス
    • ※ 阪急バス
    • ※ 阪急田園バス
    • ※ 神鉄バス
    • ※ 神姫バス
    • ※ 神姫ゾーンバス
    • ※ 神姫グリーンバス
    • ※ ウエスト神姫
    • 奈良交通
    • ※ エヌシーバス
    • ※ 京阪バス
    • ※ 京阪京都交通
    • 神戸市交通局
    • 神戸交通振興
    • 山陽バス
    • ※ 阪神バス
    • ※ 大阪空港交通(空港リムジンバス)
    • 伊丹市交通局
    • 岡山電気軌道(バス)
    • 中鉄バス
    • 両備バス
    • 下津井電鉄(バス)
    • ※ 江若交通
用語の所属
ICカード乗車券
関連する用語
10カード
乗車券

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