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トウダイグサ科の植物である蓖麻(ヒマ、別名トウゴマ)の実から得られる蛋白質毒素。
特になし。
この蛋白は分子量約32,000の中性のA鎖(RTA)と、分子量約34,000の塩基性のB鎖(RTB)がジスルフィド結合(‐S‐S‐)で結ばれている。それぞれが生体内で異なる働きをするが、全体として、リシンの作用機序は蛋白質の合成阻害である。他の一般的な猛毒が神経末に作用し速効性であるのに対し、これは特徴的といえる。リシンは水中で煮沸すると失活するが、これはジスルフィド結合の切断のためと考えられる。
A鎖はN-グリコシダーゼ作用を持ち、蛋白質合成に必要な大サブユニットの28S rRNAのアデニン塩基をリボースから切断し、結果として蛋白質合成を阻害する。B鎖はガラクトース結合性レクチンで、エンドサイトーシスを誘導することでA鎖を細胞質内に引き入れる働きをする。結果として、細胞質での蛋白質合成を阻害し、細胞死を誘発させる働きを有する。
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