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SMTP

辞書:通信用語の基礎知識 通信手順上編 (CPINFO)
読み:エスエムティーピー
外語:SMTP: Simple Mail Transfer Protocol 英語
品詞:名詞
2000/07/05 作成
2013/10/12 更新

電子メールのホスト間通信プロトコルの一つで、最も普及しているもの。

インターネットで、メールサーバーにメールを送信したり、ホスト間でメールを転送するための通信プロトコルである。

US-ASCIIによるコマンド送受信を主体とした古式な7ビット環境であるが、現在も代替はなく、広く普及する主流である。

機能

SMTPは、送信側が主体のプロトコルであり、断続的にしかネットワークに接続されない端末宛への送信に対しては、有効な働きをしない。

そのため、あらかじめPOPサーバーと呼ばれる別のサーバーを相手先に用意し、ユーザー別にメールボックスに保存しておく。送信先のユーザーは必要なときにPOPサーバーに接続し、自分宛てのメールをPOPサーバーから受信する。

アドレス

エンベロープアドレス

電子メールにはFromアドレス(送信元)とToアドレス(宛先)が欠かせない。

しかしメーラーと呼ばれる電子メールソフトウェアで画面に表示されるFromアドレス/Toアドレスと、SMTPサーバー間のプロトコルでやりとりされるFromアドレス/Toアドレスは、別のものとなる。

このうち、SMTPサーバー間のプロトコルで使われるものを「エンベロープアドレス」という。

普段は同じものが使われるが、場合によっては異なるものを用いることもある。

封筒と便箋

この構造は、SMTPは「封筒」(エンベロープ)、メールヘッダーや本文含めたメールの内容は「便箋」に喩えられている。

メーラーで表示されるFromアドレス/Toアドレスは、メールの内容のうちメールヘッダー部分に記述された情報である。つまり、「便箋」に書かれた情報である。

対して、SMTPを用いて送受信する際に用いるFromアドレス/Toアドレスは別に存在しており、これをエンベロープFromアドレス/エンベロープToアドレスという。エンベロープアドレスは「封筒」に書かれた宛先と送り主の情報であると言える。

SMTPサーバーは「封筒」を見てメールを配送する。

応用方法

殆どの場合、メールヘッダーのアドレスとエンベロープアドレスは同じものが使われるが、メーリングリストなどでは異なってくる。

メーリングリストで、メーラーで表示されるToがメーリングリストのアドレスなのに、各メンバーにメールが届くのは、エンベロープToアドレスが各メンバーのものとなっているからである。

MIME

SMTPで送信する電子メールは、元々はメールアドレス、メールヘッダーとメール本文、全てで7ビットしか使えないものだった。

そこで、MIMEと呼ばれる手法を用いることで、8ビットの情報を7ビットで表現したり、他にも様々な付加機能を実現している。

これによって、8ビットとなるバイナリファイルの添付なども可能となった。

ESMTP

プロトコル自体を8ビット対応にするものもある。

このため現在では8ビットでも送受信可能なサーバーが一般的になりつつあるが、古いサーバーでは7ビットしか使えないものも現存する。

ポート

SMTPの本来の任務はメールサーバー(MTA)間の転送だが、メールソフト(MUA)からメールサーバー(MTA)宛にメールを送信する場合にも使うことができる。

MTA間の転送は、25/tcpを使う。

MUA→MTAの場合も、かつては25/tcpを使うのが一般的だった。現在ではMessage submissionプロトコル(RFC 6409)を使うのがインターネット標準で、そのためのポートは587/tcpである(ただし25/tcpも利用可能)。

送信

メールを送信する場合は、一旦最寄りのSMTPサーバーへメールを投函する(これがメーラの設定に書くSMTPサーバー名)。

サーバーは宛て先のIPアドレスDNSへ照会し、送り先が存在すればそのホストへ向かって送信する。

当然ながら途中にはファイアウォールの外のサーバーを幾つか経由することになるため、盗聴の危険性がある。セキュリティを要する場合にはPGPPEMなどを利用して暗号化するのが一般的である。

沿革

現在は、RFC 5321で規定され、Standards Track(標準化過程)となっている。

SMTPに関する直接的なRFCと、それに関連するRFCの沿革は次の通り。

  • 1980(昭和55)年9月: RFC 722 MAIL TRANSFER PROTOCOL
  • 1981(昭和56)年5月: RFC 780 MAIL TRANSFER PROTOCOL
  • 1982(昭和57)年8月: RFC 821 SIMPLE MAIL TRANSFER PROTOCOL
  • 1986(昭和61)年1月: RFC 974 MAIL ROUTING AND THE DOMAIN SYSTEM
  • 1999(平成11)年3月: RFC 2554 SMTP Service Extension for Authentication (SMTP AUTH)
  • 1995(平成7)年11月: RFC 1869 SMTP Service Extensions (ESMTP)
  • 1996(平成8)年1月: RFC 1891 SMTP Service Extension for Delivery Status Notifications
  • 2001(平成13)年4月: RFC 2821 Simple Mail Transfer Protocol
  • 2003(平成15)年1月: RFC 3461 Simple Mail Transfer Protocol (SMTP) Service Extension for Delivery Status Notifications (DSNs)
  • 2006(平成18)年4月: RFC 4408 Sender Policy Framework (SPF) for Authorizing Use of Domains in E-Mail, Version 1
  • 2007(平成19)年5月: RFC 4871 DomainKeys Identified Mail (DKIM) Signatures
  • 2007(平成19)年7月: RFC 4954 SMTP Service Extension for Authentication (SMTP AUTH)
  • 2008(平成20)年10月: RFC 5321 Simple Mail Transfer Protocol
  • 2009(平成21)年8月: RFC 5672 RFC 4871 DomainKeys Identified Mail (DKIM) Signatures -- Update
  • 2011(平成23)年9月: RFC 6376 DomainKeys Identified Mail (DKIM) Signatures

RFC 821として長く運用され、約20年経ちインターネットメールの普及に伴う様々な拡張機能を押さえること、2000年問題対応などのため、RFC 2821として改定され、提案標準プロトコル(Proposed Standard)となった。

その後、SPF(RFC 4408)、DKIM(RFC 4871)などへの対応のために再度、RFC 5321として改訂された。これは草案標準(ドラフト標準)である。

関連RFC

これを著している時点での最新版。

  • RFC 5321 ‐ Simple Mail Transfer Protocol
  • RFC 3461 ‐ Simple Mail Transfer Protocol (SMTP) Service Extension for Delivery Status Notifications (DSNs)
  • RFC 4954 ‐ SMTP Service Extension for Authentication (SMTP AUTH)

かつてのもの。

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