六弗化ウラン

読み:ろく・フッか・ウラン
外語:Uranium Hexafluoride 英語
品詞:名詞

ウラン燃料精製課程で作られる物質の一つ。まず作られた純度の悪いイエローケーキから転換と呼ばれる行程により天然の六弗化ウランが精製される。この時のウラン235の濃度は0.7%程度である。

目次

基本情報

誘導体、関連物質の例

転換

具体的には、イエローケーキ→硝酸溶解→TBP溶媒抽出→加熱脱硝→水素還元→弗化水素による弗化→弗素による弗化→六弗化ウラン、というような行程になる。

六弗化ウランは約56℃で気体になるので、濃縮行程で気体の状態でウラン235を0.7%から2〜4%程度に濃縮する。

こうして濃縮された六弗化ウランを、再転換焼結加工行程によって二酸化ウランにする。

ちなみに、かつて茨城県那珂郡東海村にあった株式会社JCOは、転換に関する作業を恐らく世界で唯一、ステンレスバケツで実施していた。職人ならではの技であり、素人にはお薦めできない。

ウラン濃縮

ウラン濃縮のためには遠心分離やガス拡散法といったものが主に用いられ、質量差で分離することで、天然存在比が0.7204%しかないウラン235を集め、高濃度のウラン235を作っていくことになる。

ただ、ウラン単体では沸点が4172℃もあり、高音に加熱しながらの遠心分離は大変である。しかし六弗化ウランにすると沸点は僅か56℃となり、簡単な加熱で気化するため、遠心分離しやすい。このため、核兵器開発におけるウラン濃縮では遠心分離しやすくするため六弗化ウランが作られ、その材料として高純度の弗化水素が必要とされている。

安全性

ウランの重金属毒性のため、非常に危険である。腐食性があるほか、摂取すると腎臓障害などをまねく。

危険性

  • 引火点: (該当資料なし)
  • 発火点: (該当資料なし)
  • 爆発限界: (該当資料なし)

有害性

  • 刺激
    • 腐食性: 眼、皮膚、気道に対して腐食性を示す
    • 刺激性: (該当資料なし)
    • 感作性: (該当資料なし)
  • 毒性
    • 急性毒性: (該当資料なし)
    • 慢性毒性: (該当資料なし)
    • がん原性: (該当資料なし)
    • 変異原性: (該当資料なし)
    • 生殖毒性: (該当資料なし)
    • 催畸形性: (該当資料なし)
    • 神経毒性: (該当資料なし)
  • 規制値
    • 一日許容摂取量(ADI): (該当資料なし)
    • 暫定耐用一日摂取量(PTDI): (該当資料なし)
    • 急性参照値(ARfD): (該当資料なし)
    • 暴露許容濃度(TLV): (ウランUとして)0.2mg/m3(TWA)、0.6mg/m3(STEL)、A1(人における発がん性が確認されている物質) (ACGIH 2004)

環境影響

  • 分解性: (該当資料なし)
  • 蓄積性: (該当資料なし)
  • 魚毒性: (該当資料なし)
関連するリンク
ICSC 国際化学物質安全性カード
関連する用語
イエローケーキ
弗化水素

コメントなどを投稿するフォームは、日本語対応時のみ表示されます


KisoDic通信用語の基礎知識検索システム WDIC Explorer Version 7.04a (27-May-2022)
Search System : Copyright © Mirai corporation
Dictionary : Copyright © WDIC Creators club