青みを帯びた銀白色の金属元素。融点が低く、手で触れれば体温で溶解する。
一般情報
原子情報
- 原子量: 69.723(1)
- 電子配置:
- 1s2、2s2、2p6、3s2、3p6、3d10、4s2、4p1
- [Ar]3d10、4s2、4p1
- 電子殻: 2、8、18、3
- 原子価: 3
- 酸化数: 0、+2、+3
物理特性
質量数は、56から87までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は二つある。
| 同位体核種 | 天然存在比 | 半減期 | 崩壊 | 崩壊後生成物 |
| 56Ga | ‐ | | 陽子放出 | 56Zn |
| 57Ga | ‐ | | 陽子放出 | 57Zn |
| 58Ga | ‐ | | 陽子放出 | 58Zn |
| 59Ga | ‐ | | 陽子放出 | 59Zn |
| 60Ga | ‐ | | β+崩壊 | 60Zn |
| 61Ga | ‐ | | β+崩壊 | 61Zn |
| 62Ga | ‐ | | β+崩壊 | 62Zn |
| 63Ga | ‐ | | β+崩壊 | 63Zn |
| 64Ga | ‐ | | β+崩壊 | 64Zn |
| 65Ga | ‐ | | β+崩壊 | 65Zn |
| 66Ga | ‐ | 9.49時 | β+崩壊 | 66Zn |
| EC崩壊 | 66Zn |
| 67Ga | ‐ | 3.2612日 | EC崩壊 | 67Zn |
| 68Ga | ‐ | 1.127時 | β+崩壊 | 68Zn |
| EC崩壊 | 68Zn |
| 69Ga | 60.108% | 安定核種(中性子数38) |
| 70Ga | ‐ | 21.14分 | β−崩壊 | 70Ge |
| EC崩壊 | 70Zn |
| 71Ga | 39.892% | 安定核種(中性子数40) |
| 72Ga | ‐ | 14.10時 | β−崩壊 | 72Ge |
| 73Ga | ‐ | 4.86時 | β−崩壊 | 73Ge |
| 74Ga | ‐ | | β−崩壊 | 74Ge |
| 75Ga | ‐ | | β−崩壊 | 75Ge |
| 76Ga | ‐ | | β−崩壊 | 76Ge |
| 77Ga | ‐ | | β−崩壊 | 77Ge |
| 78Ga | ‐ | | β−崩壊 | 78Ge |
| 79Ga | ‐ | | β−崩壊 | 79Ge |
| 80Ga | ‐ | | β−崩壊 | 80Ge |
| 81Ga | ‐ | | β−崩壊 | 81Ge |
| 82Ga | ‐ | | β−崩壊 | 82Ge |
| 83Ga | ‐ | | β−崩壊 | 83Ge |
| 84Ga | ‐ | | β−崩壊 | 84Ge |
| 85Ga | ‐ | | β−崩壊 | 85Ge |
| 86Ga | ‐ | | β−崩壊 | 86Ge |
| 87Ga | ‐ | | β−崩壊 | 87Ge |
安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。
液体となる温度範囲が元素中で最も広い。
窒素、燐、砒素、アンチモンとの化合物はIII‐V族化合物半導体と呼ばれる化合物半導体であり、ガリウム砒素(GaAs)や窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)等として広く使われている。
ガリウムは地殻中に、1トンあたり15g含有しており、この量はアンチモン、銀、ビスマス、モリブデン、タングステンなどより多い。
しかしガリウムは現在、アルミニウムまたは亜鉛の製錬での副産物として得られている。このため充分量を得ることができないが、価格面でそれ以外の選択肢がないとされる。
日本におけるガリウム新地金の国内生産量は0ではないがほぼ無く、ゆえにほぼ全量を輸入に頼っている。
ガリウム新地金の生産能力は、2006(平成18)年2月金属時評によると次の通りである。
- 支那 60〜70t/年
- ドイツ 30t/年
- カザフスタン 25t/年
- ロシア 10t/年
- 日本 8t/年
- ハンガリー 5t/年
- ウクライナ 5t/年
- 合計 約150t/年
しかし世界でも最大の需要国とされる日本での2006(平成18)年の需要が168トンとされ世界のガリウム需要の6〜7割程度を占めるが、全く足りていない。そこで採掘からだけでなく、残りは電子部品などからリサイクルされていると予測される(いわゆる都市鉱山)。
いずれにしてもガリウムは需要が高まる中で安定供給が不安視される希少金属(レアメタル)となっている。
ガリウムは国際的な価格決定機構が存在しないため、ガリウム地金の価格推移は完全に需要と供給バランスで決定されているが、その生産の都合によりアルミニウムまたは亜鉛の需給・価格にも左右される。
ガリウム地金の価格は、1995(平成7)年頃は$200/kg程度だったが、2000(平成12)年に携帯電話機の生産増加と投機筋の介入があり$1000/kgを突破、翌年には$2000/kgを突破する高騰をした。
その後は世界的な不景気により携帯電話機等の売れ行きが低下し生産も減少したことで価格は再び$200/kg程度に急落、以降しばらくは価格が低迷を続けた。
2006(平成18)年頃から携帯電話機、LEDの需要が増え、翌年には$750/kg程度まで上昇するが、リーマンショックなどでの景気低迷もあり価格は徐々に低下、2010(平成22)年頃は$400/kg前後で推移している。
精錬製品の価格では、2005(平成17)年6月現在、99.99%純度のものが42〜45円/g程度となっており、銀と同程度のやや高価な希少金属(レアメタル)である。
1871(明治4)年にメンデレーエフがエカアルミニウムとして存在を予言した。
1875(明治8)年にフランスの科学者ボアボードランが発見した。
名前の由来は、発見者の祖国フランスの古称のガリア「Gallia」から。
- GGG(ガドリニウム・ガリウム・ガーネット) (Gd3Ga5O12)
- ガリウム砒素(砒化ガリウム) (GaAs) (1303-00-0)
- 酸化ガリウム(III) (Ga2O3) (12024-21-4)
- 窒化ガリウム (GaN) (25617-97-4)
- ネプツニウム・コバルト・ガリウム5 (NpCoGa5)
- プルトニウム・コバルト・ガリウム5 (PuCoGa5)
- プルトニウム・ロジウム・ガリウム5 (PuRhGa5)
- 引火点: (該当資料なし)
- 発火点: (該当資料なし)
- 爆発限界: (該当資料なし)
- 刺激
- 腐食性: (該当資料なし)
- 刺激性: (該当資料なし)
- 感作性: (該当資料なし)
- 毒性
- 急性毒性: (該当資料なし)
- 慢性毒性: (該当資料なし)
- がん原性: (該当資料なし)
- 変異原性: (該当資料なし)
- 生殖毒性: (該当資料なし)
- 催畸形性: (該当資料なし)
- 神経毒性: (該当資料なし)
- 分解性: (該当資料なし)
- 蓄積性: (該当資料なし)
- 魚毒性: (該当資料なし)
30 亜鉛 ‐ 31 ガリウム ‐ 32 ゲルマニウム
関連するリンク
MSDS: ガリウム標準液(1000ppm)
用語の所属

元素

典型金属元素

希少金属

GA
関連する用語

液体

ガリウム砒素

ガリウム砒素半導体