18族の希ガス族に属する、無色の非金属元素。放射性元素。
一般情報
原子情報
- 原子量: [222]
- 電子配置:
- 1s2、2s2、2p6、3s2、3p6、3d10、4s2、4p6、4d10、4f14、5s2、5p6、5d10、6s2、6p6
- [Xe]4f14、5d10、6s2、6p6
- 電子殻: 2、8、18、32、18、8
- 原子価: 0
- 酸化数: 0、+2
物理特性
- 相: 固体
- 融点: -71℃ (ICSC)
- 沸点: -62℃ (ICSC)
- 比重: (該当資料無し)
- 密度: 9.73g/l (ICSC)
- CAS番号: 10043-92-2
- ICSC番号: 1322
- 外観: 無色の気体
質量数は、195から229までが確認されており、その中に核異性体も存在する。
安定同位体は存在しない。全ての同位体が放射性同位体で、かつ半減期も短い。
崩壊の種類については一例。これとは異なる崩壊をすることもある。
同位体核種 | 天然存在比 | 半減期 | 崩壊 | 崩壊後生成物 |
195Rn | ‐ | | | |
196Rn | ‐ | | α崩壊 | 192Po |
197Rn | ‐ | | α崩壊 | 193Po |
198Rn | ‐ | | α崩壊 | 194Po |
199Rn | ‐ | | α崩壊 | 195Po |
200Rn | ‐ | | α崩壊 | 196Po |
201Rn | ‐ | | α崩壊 | 197Po |
β+崩壊 | 201At |
202Rn | ‐ | | α崩壊 | 198Po |
β+崩壊 | 202At |
203Rn | ‐ | | α崩壊 | 199Po |
β+崩壊 | 203At |
204Rn | ‐ | | α崩壊 | 200Po |
β+崩壊 | 204At |
205Rn | ‐ | | β+崩壊 | 205At |
α崩壊 | 201Po |
206Rn | ‐ | | α崩壊 | 202Po |
β+崩壊 | 206At |
207Rn | ‐ | | β+崩壊 | 207At |
α崩壊 | 203Po |
208Rn | ‐ | | α崩壊 | 204Po |
β+崩壊 | 208At |
209Rn | ‐ | | β+崩壊 | 209At |
α崩壊 | 205Po |
210Rn | ‐ | 2.42時 | α崩壊 | 206Po |
EC崩壊 | 210At |
211Rn | ‐ | 14.6時 | α崩壊 | 207Po |
β+崩壊 | 211At |
212Rn | ‐ | 23.9分 | α崩壊 | 208Po |
213Rn | ‐ | 19.ミリ秒 | α崩壊 | 209Po |
214Rn | ‐ | 0.27μ秒 | α崩壊 | 210Po |
215Rn | ‐ | 2.30μ秒 | α崩壊 | 211Po |
216Rn | ‐ | 45μ秒 | α崩壊 | 212Po |
217Rn | ‐ | 0.54ミリ秒 | α崩壊 | 213Po |
218Rn | ‐ | 35ミリ秒 | α崩壊 | 214Po |
219Rn | 微量 | 3.96秒 | α崩壊 | 215Po |
220Rn | 微量 | 55.6秒 | α崩壊 | 216Po |
221Rn | ‐ | 25.7分 | β-崩壊 | 221Fr |
α崩壊 | 217Po |
222Rn | 微量 | 3.824日 | α崩壊 | 218Po |
223Rn | ‐ | 23.2分 | β-崩壊 | 223Fr |
224Rn | ‐ | 1.78時 | β-崩壊 | 224Fr |
225Rn | ‐ | | β-崩壊 | 225Fr |
226Rn | ‐ | | β-崩壊 | 226Fr |
227Rn | ‐ | | β-崩壊 | 227Fr |
228Rn | ‐ | | β-崩壊 | 228Fr |
229Rn | ‐ | | | |
ラドンは希ガスなので、反応性が低く、化学的には安定している。
但し放射性同位体しか存在しないため、実用化はされていない。
放射性同位体ではあるが、3同位体については微量ながら天然に存在し、各々に系列から名前が付けられている。
おのおのの崩壊系列から徐々に補給されるため、半減期が短いながら天然に存在するということである。
同位体が、おのおの次の崩壊系列に属している。
安定した同位体は存在しない。最長寿命の核種は222Rnで、半減期は3.82日。222Rnは226Raのα崩壊によって生成し、空気中や地下水中にごく微量含まれる。
「放射性物質」とか「放射能」とか聞くと目の色を変え拒絶反応を示す日本人だが、ラジウム温泉と聞けば放射性物質と知りながら喜んで入浴するのは、まさに東洋の神秘である。
入浴や飲用すれば被曝する。ただし温泉自体の線量は弱いので、今のところラジウム温泉での被曝により何らかの問題が生じたという報告はない。
むしろ微量の被曝により新陳代謝が促進され、疾病への抵抗力増強などの効果があり、延いてはリウマチや通風などに効くとされ、古くから湯治に使われている。ただ、実際の効能についての学術的な論拠はない。
適用法令
- 試験研究の用に供する原子炉等の設置、運転等に関する規則等の規定に基づき、線量限度等を定める告示
危険性
- 引火点: この物質に燃焼性はない
- 発火点: (該当資料なし)
- 爆発限界: (該当資料なし)
有害性
- 刺激
- 腐食性: (該当資料なし)
- 刺激性: (該当資料なし)
- 感作性: (該当資料なし)
- 毒性
- 急性毒性: (該当資料なし)
- 慢性毒性: (該当資料なし)
- がん原性: 人で発がん性を示す
- 変異原性: (該当資料なし)
- 生殖毒性: (該当資料なし)
- 催畸形性: (該当資料なし)
- 神経毒性: (該当資料なし)
環境影響
- 分解性: (該当資料なし)
- 蓄積性: (該当資料なし)
- 魚毒性: (該当資料なし)
1898(明治31)年にドイツの科学者フリートリッヒ・エルンスト・ドルン(Friedrich Ernst Dorn)がラジウムの崩壊の研究中に発見した。
化学名Radonは、ラテン語で「輝き」を意味するnitonと、Radium(ラジウム)から付けられた。
次のような化合物が存在するとされている。
85 アスタチン ‐ 86 ラドン ‐ 87 フランシウム
関連するリンク
ICSC 国際化学物質安全性カード
用語の所属

元素

放射性元素

希ガス

RN
関連する用語

放射能泉