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Thunderbolt

辞書:通信用語の基礎知識 通信技術接続編 (CTIF)
読み:サンダーボルト
外語:Thunderbolt 英語
品詞:名詞
2011/05/10 作成
2015/06/11 更新

IntelAppleが開発した、汎用の高速I/Oインターフェイス。開発コードネームは「Light Peak」。

汎用のシリアルバスインターフェイスで、AppleのMacBook Proで最初に採用された。

最大7台までのデイジーチェーン接続と、10Gbps/チャンネル以上の双方向通信が可能な点が利点である。

当初のものでも10Gbpsと超高速であるため、Intelによれば、ノートPCに外付けGPUをThunderbolt経由で接続するようなことも可能だった。

Thunderbolt 2では倍速の20Gbpsとなり、Thunderbolt 3からは更に倍の40Gbpsになると共にコネクターがUSB Type-Cに変更された。

バージョン

  • Thunderbolt
  • Thunderbolt 2
  • Thunderbolt 3

物理層

ケーブルはメタルケーブル光ファイバーがある。

Thunderbolt 1/2のメタルケーブルは、PCI ExpressDisplayPortの技術を基盤としている。PCI Expressは現在のパーソナルコンピューターの基礎的技術となり様々な高速バスにその技術が応用されており、もう一つの基盤となっているDisplayPort自体もPCI Expressの技術が使われている。Thunderboltは、これら技術を応用した。

10Gbps/チャンネルの速度から開始されたThunderboltは、将来的に1Tbps(1000Gbps)への高速化も視野に入れているとされる。

ケーブル内部品

メタルケーブルでは、高速伝送のための信号補正用チップが組み込まれており、このためケーブル自体が発熱する。

光ファイバーでは、コネクター自体は銅線と同じなのでケーブル内に光部品があり、ケーブル内で光信号と電気信号を変換している。

速度

Thunderbolt 1規格は、レーンあたり10Gbpsの双方向チャンネルを2チャンネル持っている。

1チャンネルで10Gbps、それが双方向通信可能で、さらに2チャンネルあるという、全二重デュアルチャンネルであることから、Thunderbolt 1規格はコネクターあたりの総スループットは最大40Gbpsということになる。

Thunderbolt 2規格は2レーンを集約することで倍速化された。代わりに1チャンネルのみとなっている。

  • DisplayPort 1 = 10Gbps×2(双方向)×2レーン
  • DisplayPort 2 = 20Gbps×2(双方向)×1レーン

いずれもレーン数は全二重2レーンで共通であり、物理層速度は変わっていないため、既存のケーブルがそのまま利用可能である。

Thunderbolt 3からは、USB Type-Cがコネクターに採用された。USB 3.1用ケーブルでは最大20Gbps、Thunderbolt 3用ケーブルでは最大40Gbpsを可能とし、Thunderbolt 3用ケーブルは銅線のほかに光ファイバーも提供される。銅線は2mまで、光ファイバーは60mまでが可能である。

デュアル・プロトコル

DisplayPort 1/2は、プロトコルの詳細は定かではないがPCI ExpressタイプとDisplayPortタイプの双方に対応しており、PCI Expressのデータと、DisplayPortの映像信号を、一つのケーブルで送受信することができる。

汎用バスとしてはPCI Expressタイプのプロトコルが使われ、またDisplayPortのモニターを接続すればDisplayPortタイプのプロトコルが使われるとされている。

Lynnfield以降のCore iシリーズのチップセットプラットフォーム・コントローラー・ハブとなっているが、ここから出てくるPCI Express ×4DisplayPortの外部ディスプレイに送信する映像信号をThunderboltとして混在して伝送できる。なお、ディスクリートGPU(いわゆるディスプレイカード)を使用しているなら、そちらの映像信号が送られることになる。

コネクター

Thunderbolt 1/2のコネクターはMini DisplayPortのものがそのまま使われている。小型だが、20ピン存在する。

そしてMini DisplayPortと互換性があるため、Mini DisplayPortディスプレイはThunderboltポートに直接接続することが可能。通常サイズのDisplayPort、そしてDVIHDMI、アナログRGB(VGA)対応ディスプレイは、Mini DisplayPortからの既存ケーブル等がそのまま利用できる。

また、銅線の場合は最大10ワットまでの電源供給にも対応し、USBより強力な電源給電能力を持っている。

DisplayPortはいずれHDMIを駆逐する予定の技術となるが、そのDisplayPortと共存共栄が可能な汎用バスとして作られた。

なお、Thunderbolt 3ではコネクターとしてUSB Type-Cが採用された。Mini DisplayPortが遂に普及しなかったこともあるだろうが、リバーシブルで利便性が高く今後普及が確実なコネクターとの共存の道を選んだということができる。

ピンアサイン

Thunderbolt 2までのピン数はMini DisplayPortと同じ20ピンである。なお、Thunderbolt 3からはUSB Type-Cがコネクターに採用された。

コネクター形状は六角形で、下側の左右が斜めになっており逆挿しが出来ないようになった形状であること、ピン番号は上側が1番からの奇数、下側が2番からの偶数である点なども、Mini DisplayPortと全く同じである。但し当然ながら、信号線の用途は異なる。

以下、ソース機器側のコネクター配列を示す。

ピンDPT29ピンT29DP
2HPDHPD1HV INPUT/ACGNDGND
4CFG1HS0RX(P)3HS0TX(P)DP0(p)
6CFG2HS0RX(N)5HS0TX(N)DP0(n)
8GNDGND7GNDGND
10DP3(p)(RESERVED)GND9LSR2P TxDP1(p)
12DP3(n)(RESERVED)GND11LSP2R RxDP1(n)
14GNDGND13GNDGND
16AUX(p)HS1RX(P)15HS1TX(P)DP2(p)
18AUX(n)HS1RX(N)17HS1TX(N)DP2(n)
20DPPWRDPPWR19GNDGND

由来

USB 3.0策定の段階において、元々Intelは光ファイバーの採用を主張していた。

そもそもUSB 3.0というのは、従来のUSB 2.0とは物理的に異なる信号線を使って高速化するもので、上位互換とはいえ、全く異なるものが同居しているといった方が現実に近い。しかし結果として、USB 3.0における光ファイバーの採用は、規格の検討段階で消えてしまった。

Intelは後に、この光ファイバーを利用した高速I/OとしてLight Peak(開発コードネーム)を発表、そして当初はメタルケーブルを利用するということで名前が変わり、Thunderboltとなった。

Thunderboltは、USB 3.0でも達成できなかった、パーソナルコンピューターのコンシューマー向けとしては初めての光ファイバーを使った機器接続インターフェイスである(LANなどは別として)。

メタルケーブルの価格

現在のThunderboltはメタルケーブルだが、そのケーブルは日本のApple Storeでは4,800円で販売されている。高速なケーブルとは言え、これはお世辞にも安いとは言えない。

機器を分解して製造コストを調査しているiFixitによれば、Thunderboltケーブルのコストは50ドル、日本円にして約4,000円だという。原価と頒価の差は僅か800円で、ほぼ原価での販売であり、Appleの儲けは殆どない。

なぜThunderboltのケーブルは原価が50ドルもするのか。USBケーブルの安物なら100円ショップでも売られているがその差は何かというと、iFixitによれば、ケーブルのコネクター部分にはICチップが組み込まれているためだとする。これは、メタルケーブルで高速伝送をするために必要なチップだとされている。

Appleはかつて、FireWire(IEEE 1394)の普及に失敗したという苦い経験を持っており、Intelと共同開発したThunderboltこそは普及させようと、ケーブルは儲け無しで販売していたことが判明した。

光に関すること

光化

光ファイバーは2013(平成25)年に登場した。既存のポートなどは互換性を保ち、メタルケーブルも光ファイバーも接続可能にするために、ケーブル内で光信号と電気信号を変換するという画期的な方法を採用した。

途中を光ファイバーにする場合、ケーブルが細く軽量、長く伸ばせる、低消費電力などの利点があるが、ケーブル自体が高コスト、電源供給が出来ないため電源は機器側で用意しなければならない、などの欠点もある。

またThunderboltのトポロジーの特徴としてデイジーチェーン接続があるが、途中の電源が落ちている場合、その先の通信が途絶えてしまうことになる。メタルケーブルならケーブル経由の電源供給の道があるが、光の場合はそれも望めないため、光化が前提となっているにしては良いトポロジーとは言いがたい。

光ケーブル

直径125µmの光ファイバーを使い、伝送距離は最大100mである。

光送信デバイスは250µm角の表面発光型半導体レーザー(VCSEL)を使用するため、波長は850nm帯域が使用されている。10GbEなど超高速通信では1300nm/1550nm帯域がよく使用されているが、これがコスト高となっており、廉価を目指すべきこのようなインターフェイスでは採用されなかったようである。

用語の所属
映像インターフェイス
関連する用語
PCI Express
DisplayPort
Lightning
USB 3.0

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