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真空管

辞書:科学用語の基礎知識 電子部品編 (NELECP)
読み:しんくうかん
外語:vacuum tube 英語 , electron tube 英語 , valve 英語
品詞:名詞
1997/12/03 作成
2014/07/29 更新

1960年代(昭和30年代中半)位までによく使われた、増幅作用をもつ電子管であり、能動素子である。

ガラスなどで作られた容器内に電極を入れ、その容器内を真空または少量のガスを入れた低圧とした部品である。

ヒーターで陰極(フィラメント、カソード)を加熱すると、熱電子が放出され、陽極(アノード)へと達する。これはつまり、陽極(アノード)から陰極(カソード)に電流が生じたことになる。

この電子を、真空中で電場磁場によって制御することで、増幅、整流、変調、発振、検波など、現在のトランジスタダイオードなどの半導体素子に相当する様々な機能を実現する。

技術

実際に真空管を動作させるためには大抵200V以上の電圧が必要で、陰極加熱用のヒーター電源(多くは5Vか6.3V)が別に必要となる。

構造上で、フィラメントから直接電子を放出させる直熱管と、電子放出用の電極(カソード)と加熱用ヒーターを分離させた傍熱管という区別がある。

電極数

種類としては、まず電極数で分類される。二極から八極くらいまで作られていた。

一般的な二極管・三極管の他に、三極管を改良した四極管・五極管・ビーム四極管、特殊用途の七極管がある。

また、一つの管に複数の電極を入れ、一本で二本分の働きをする複合管もある。

特殊用途

真空管の技術を応用した特殊な電子管に、次のようなものがある。

外形名

真空管の主な外形名に、年代の古い順から次のようなものがある。

  • S管 (ナス型。ナス管)
  • ST管 (だるま型)
  • GT管 (管の太さが均一なタイプ)
  • MT管 (頭に突起があるタイプ。小型。ミニチュア管)

熱陰極

真空管は熱陰極を使用して放射電流を得る。

具体的には、陰極(カソード)となるフィラメントをヒーターで加熱すると熱電子が放出され、それが陽極(アノード)であるプレートへと達する。これはつまりプレートからフィラメントに電流が生じたことになる。

電源

真空管の設計にもよるが、概ね2種類から3種類の電源が必要となり、各々で電圧も異なる。

  • A電源 ‐ ヒーター用電源 6V程度
  • B電源 ‐ プレート用電源 45Vや67.5Vなど
  • C電源 ‐ グリッド用電源 0V〜6V程度

A電源とC電源は同じ電圧で使える(ことが多い)が、B電源だけは特別で、高い電圧が必要となる。

端子

端子種類

真空管は設計にもよるが、三極真空管の場合、次の四種類の端子がある。

トランジスタより電極数が多いが、これは、真空管は加熱しないと動作しないためである。

四極真空管では二種類のグリッドがあり、三極でのグリッド相当をコントロールグリッドと呼び、コントロールグリッドとプレートの間にスクリーングリッドを追加することを特徴とする。

更に、五極真空管ではサプレッサーグリッドが追加される。ビーム管では、サプレッサーグリッドの代わりにビーム形成グリッドを付ける。

トランジスタとの対応

必ずしも同じ機能ではないが、真空管の各端子をトランジスタの端子と対応させると、次のようになる。

グリッド電圧

グリッド電圧は0Vから6V程度まで変化させる。このグリッド電圧を上げると、プレート電圧はその数倍の勢いで減少する。つまり、増幅作用があったことになる。

一方、グリッド電圧を買えてもカソード電圧はほぼ変動がない。これをカソードフォロワーといい、トランジスタではエミッタフォロワーに相当する。バッファーとして使う場合は、ここから電流を取り出す。

起源

誕生の経緯は、1883(明治16)年にアメリカの発明家トーマス・エジソンが「エジソン効果」と呼ばれる現象を発見したことに端を発する。

これは電球の中に金属板(プレート)を入れると、高温のフィラメントから電子が飛び出すことで、プレートとフィラメント間に電圧をかけると電流が流れるというもの。

高温になっていないと電子は飛び出さないので、逆方向には流れない。これをそのまま利用して整流などに使えるようにした「二極真空管」が 1904(明治37)年にイギリスの電気工学者フレミングの手によって誕生した。

その2年後の1906(明治39)年、プレートとフィラメントの間にグリッドという金網状の電極を入れ、これに負の電圧をかけて変化させると、プレート‐フィラメント間の電流を大きく変化させられることを発見し、初めての増幅作用を持つ素子「三極真空管」が誕生した。これはアメリカの発明家リー・ド・フォレストの手による。

電子工学

真空管誕生後、その増幅作用を利用した各種回路方式が次々と発明され、電子工学の夜明けを迎えることとなった。

現在トランジスタ回路やIC内部で採用されている基本的な回路方式の殆どは、この真空管時代に考え出されたものである。真空管は後に半導体素子に取って代わられることになるが、1970年代初頭(昭和40年代中半)までは各種機器に第一線で使われた。

初期のコンピューターは真空管を何千本も使って作られていた。コンピューター用に設計された真空管も存在する。

日本では1970(昭和45)年頃を境に半導体素子を使った機器の方が優勢になり、1979(昭和54)年には日本における真空管の製造は終了した。

それでも、ロシア、ユーゴスラビア、スロバキア、ドイツなど主として東欧では高級オーディオ用として現在でも製造されていて、オーディオ専門誌では真空管アンプの製作記事も多い。秋葉原には今でも真空管の専門店がある。

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