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ワクチン

辞書:科学用語の基礎知識 生物学編 (BBBIO)
読み:ワクチン
外語:vaccine 英語 , vakzin ドイツ語 , vakcin/o エスペラント
品詞:名詞
2001/08/02 作成
2016/05/04 更新

病原となるウイルスを弱めたり死滅させたりして作成した生物製剤。

伝染病の予防接種に用いられる、免疫材料である。

現在、ワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン」に大きく分けられる。

ワクチンとは

ワクチンは、その成分自体に病気を予防する機能があるわけではない。ワクチンは、あくまでも(弱めたり不活化した)ウイルスや病原菌に過ぎず、薬とは異なる。

これをヒトの体内などに取り込ませることで、生体が本来持つ仕組みを利用し、体内に感染症に対する免疫力や免疫記憶を作らせる。

これによって、以降実際の病原体に感染しても免疫によって排除され、感染や発病をしない体にすることができる。

由来

かつて、人類の多くを死滅させ、いくつもの文明を滅ぼした悪魔の伝染病「天然痘」があった。

この病気の病原体は痘瘡ウイルスというウイルスで、人類はなすすべ無くそのウイルスの前に倒れていった。

天然痘は、日本でも8世紀には奈良 平城京で猛威をふるい都を壊滅させ、11世紀にはヨーロッパを襲い人口を1/3にまで激減させ、16世紀にはアステカ文明を滅ぼした。

しかし1796(寛政8)年、英国の外科医エドワード・ジェンナー(Edward Jenner)によって、遂に天然痘に対する世界初のワクチン、すなわち種痘が発見された。世界中の人々がこの種痘ワクチンを接種することによって、地球上から天然痘を駆逐することに成功した。

考え方

ワクチンは、あくまで弱めた病原体に過ぎないので、副作用というリスクは必ず存在する。神ならざる人の手により産み出されたものでは、ゼロリスクは実現できない。

副作用も、稀に重病を患ったり、ごく稀に死んでしまうことすらもある。

そこで、「ワクチン接種によって生じうる副作用」と「発病した際の病態や後遺症」などとをを天秤にかけ、どちらがより良いかを判断することになる。

疫学に基づく結論としては、予防接種は完璧ではないものの、やっておいた方が良い結果が得られる。結果、現代の医学においてはワクチンを予防的に接種するという道が選択されている。

リスクの判断方法

マスコミや、一部に存在する声高にワクチンの副作用を叫ぶ人たちによって、ワクチンの副作用ばかりが取り上げられている。一方で、ワクチンで防げる感染症による死亡や後遺症の話はあまりなされていない。この結果、後遺症などの危険性を知らず、ワクチンの副作用を恐れるばかりに、ワクチンを接種しない方が良いという判断をしてしまう例が多々ある。

新型ウイルスが続々登場し報道を賑わせる昨今では、昔からあって名のよく知られた病気に対する危機感が薄れつつある。例えば幼少の頃に高確率で罹患する「おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)」も、なお根絶にはほど遠い日常的な病であり、軽く考えすぎる傾向にある。しかしこの病は重い後遺症をもたらす恐怖の病であり、片耳失聴や両耳失聴、すなわち耳が聞こえなくなるという重大な後遺症をもたらす危険性がある。

現代の日本でも、子供におたふくかぜの予防接種をしなかったばかりに、子供をおたふくかぜに罹患させ片耳失聴にしてしまい後悔するという事例が存在する。

他の伝染病も、重い後遺症をもたらす危険性がある。

ワクチンが開発され、それが接種されるようになったことには、必ず理由が存在するのである。

盲信しないことと否定の違い

ワクチンは、予防に有効であるが、特効薬ではない。またワクチンを接種していても、新型ウイルスなどには対抗できないので、そういったものが流行してしまえば、残念ながら病気に罹患することはある。

従って、ワクチンで必ず予防できるわけではないのでワクチンを盲信せず、流行期にはマスクを併用する、手洗いやうがいをする等の対策の併用は必要だが、「ワクチンを盲信しない」ことと「ワクチンを否定する」ことには大きな違いがあることに留意が必要である。比較すれば、ワクチンを盲信していた方が被害は少ない。

ワクチンを接種しないよう勧める無責任な人は多いが、似非科学(疑似科学)を提唱していたり、東洋医学やヨガ、さらにはアロマセラピストやホメオパシーなどの疑似医療を実戦している人などに、そういった人たちが多い。

決断方法

似非科学(疑似科学)は虚構なので論外だが、古代の医術では抗えず人類が全滅しかけたのをワクチンで救われたという歴史的事実をよく踏まえた上で、喧伝されている、古代の医術の焼き直しのような医術や、祈祷にも等しい疑似医療の実戦で本当に重病に抗えるかを冷静に考え、かつ得られる利益と副作用とを天秤に掛け、これらを総じてワクチンを接種するかしないかの判断基準とするべきである。

ワクチンの予防接種は、人間だけでなく、愛玩動物用のものもある。

代表的な愛玩動物として犬がいるが、狂犬病という恐ろしい伝染病がある。病原体は狂犬病ウイルスで、犬だけでなく人間にも感染する。狂犬病は、一度発病すると致死率ほぼ100%で、絶対に助かることはない。人間に限ってみても、長い人類の歴史においても助かった例は近代医療による徹底的な治療によるものわずか数件に過ぎず、そういった無茶苦茶な治療なくしては、発病後数日で確実に死亡する、危険な病である。

日本では、犬は登録と狂犬病ワクチン接種が義務付けられている。犬と人を危険な感染症から守るためには、犬全てに予防接種をすることで集団免疫力を上げ、まず犬を病気から守ることが必要だからである。

しかし現状、狂犬病ワクチンの接種率は50%程度とされている。その理由は様々あれど、一言でいうと「なめている」のである。愛犬に予防接種をしないような人、あるいは適当な理由を付けて狂犬病ワクチンの接種を妨害する人は、狂犬病の発生してる外国に行ったりした場合にも安易に犬に触ったりする。狂犬病の怖さを知らないからである。

用語の所属
免疫
該当する用語
生ワクチン
不活化ワクチン
関連する疾病
天然痘

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