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超大質量ブラックホール

辞書:科学用語の基礎知識 天文学天体用語編 (USTLY)
読み:ちょう・だいしつりょう・ぶらっくほーる
外語:SMBH: Supermassive black hole 英語
品詞:名詞
2002/05/14 作成
2020/08/28 更新

ブラックホールのうち、質量太陽質量の105〜1010倍(10万〜100億倍)程度のもの。

全てではないが、銀河系を含む殆どの銀河の銀河核には超大質量ブラックホールがあると考えられている。

銀河系の中心にも、太陽の400万倍の質量がある超大質量ブラックホール(いて座A*)が発見されている。

渦巻銀河の中心には高確率で存在するが、全てにあるわけではなく、例えばハッブル宇宙望遠鏡による観測では、さんかく座銀河(M33)の中心には超大質量ブラックホールが存在せず、仮にブラックホールがあったとしても太陽の3000倍程度、つまり中間質量ブラックホールということが判明している。

古くは巨大ブラックホール、超巨大ブラックホール、などとも呼ばれたが、そもそもブラックホールに大きさはない(0次元)ので、現在では超大質量ブラックホールと呼ばれるようになっている。

発生メカニズム

その発生メカニズムは現時点ではまだ不明であり、天文学上の謎の一つである。

超大質量ブラックホールは、その殆どは銀河の銀河核に存在すると考えられている。恒星ブラックホールの場合は大質量星の重力崩壊で生じるが、超大質量ブラックホールの場合は銀河が形成される過程で大量のガスが集積した結果生じたのではないかとする説がある。

X線天文衛星チャンドラでの観測で、地球からの距離およそ130億光年の位置にも超大質量ブラックホールが存在することが判明しており、宇宙誕生から10億年後には既に超大質量ブラックホールが存在していたらしいことが分かっている。

また異説では、大型のブラックホールはブラックホール同士の合体により生ずるとされている。実際、アンドロメダ座の楕円銀河UGC 1841(3C 66B)の中心付近でも超大質量ブラックホールが他の超大質量ブラックホールの周囲を回っていることが明らかとなっている(NAOJ639)。このブラックホール同士は約1万年後に合体するものと考えられ、超大質量ブラックホール同士の衝突現象として発見されたのはこれが初とされている。

またチャンドラにより、へびつかい座方向にある地球から約4億光年離れた銀河NGC 6240で、初めて一つの銀河に2つの超大質量ブラックホールの存在が確認され、しかも後に、うち一つは二つのブラックホールからなるブラックホール連星で、計3つの超大質量ブラックホールが中心部に存在することが分かった。このNGC 6240は2つの小さな銀河が衝突・合体したものと考えられ、互いのブラックホールは元々は別の銀河のものだったと考えられている。銀河中心部3000光年ほどの範囲に三つもの超大質量ブラックホールが存在することになるが、これらも今後数億年のうちに合体し、更に大きなブラックホールになると考えられている。

活動銀河核

ブラックホールの事象の地平面の内部からは光さえ出ることはできないが、吸い込まれる途中のガスが加熱されることでX線γ線が輻射される。またブラックホール周辺に降着円盤を作り、ここからも電波などが放出されている。

こういった活動が活発な天体は電波銀河クエーサーと呼ばれ、この銀河核は活動銀河核(AGN)と呼ばれるが、これらは超大質量ブラックホールによって引き起こされる現象である。

最大記録

太陽質量の100億倍を超えるような大質量の超大質量ブラックホールは、多数の銀河が集まる領域の中心部にあることが多い。

こういったものは、かつては太陽質量の100億倍の質量を持つものが大銀河で発見されていて、このくらいが上限かとされていた。

しかしかみのけ座の方向約3億1千万光年の距離で1000個以上の銀河が集まる「かみのけ座銀河団」の中心銀河の一つNGC 4889の超大質量ブラックホールは太陽質量の210億倍あることが分かり、これを著している時点では観測史上最大のブラックホールとなっている。

ただ、この規模の超大質量ブラックホールに多数の銀河が集まるかというと必ずしもそうではない。エリダヌス座の方向約2億光年の距離で30個ほどしか銀河がない小さなグループの中心銀河NGC 1600の超大質量ブラックホールは太陽質量の170億倍もあることが判明した。この銀河も40億年ほど前に銀河が合体して作られたと考えられているが、銀河が密集していなくてもこの規模の超大質量ブラックホールが作られることがわかり、これまで知られている以外の方法で形作られた可能性が示唆される。

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