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化学調味料

辞書:科学用語の基礎知識 化学物質用語編 (NSUBY)
読み:かがく・ちょうみりょう
品詞:名詞
2004/10/09 作成
2012/03/30 更新

旨味成分であるアミノ酸類や核酸類を、精製によって単離した調味料、あるいはその単離した調味料を混合した調味料のこと。具体的な商品には、味の素を筆頭に様々ある。業界は「うま味調味料」と呼ぶ。

使われるものには、次のような物質がある。

「化学調味料」は法律で有効な用語ではない。食品添加物として使用する場合、その成分に応じて「調味料(アミノ酸等)」や「調味料(核酸等)」と表示される。

利点・欠点

食品に含まれる旨味は、アミノ酸核酸といった特定の物質であることから、これを補えば料理の旨味が増す。極めて単純明快である。

なお、アミノ酸系の物質と核酸系の物質は相乗効果があり、双方を同時に取ると強い旨味を感じることから、それらの成分を混合した商品もある。

現在の加工食品は化学調味料なしにはありえないが、化学調味料の味付けは風味がない分、旨味に偏重してしまうのが最大の欠点といえる。

このため、使いすぎると料理の味が画一化されてしまうのが弱点である。

なお、通風を患っている人は、化学調味料に限ったことではないが核酸系調味料を摂取すると良くない。

安全性

現在主流の化学調味料は、特にこれといった害はない。つまり無害である。

グルタミン酸ナトリウムのJECFAの評価結果は一日許容摂取量(ADI)特定せず、つまり、適正に使用される範囲において健康に危害を示さない。

しかし一部から宗教的に嫌われ、ありもしない危険性がひたすら喧伝され続け、それに騙されている人が多いのも特徴である。

例えば味の素の主成分であるアミノ酸「グルタミン酸」は、同じ物が天然昆布にも入っており、昆布の旨味の主成分でもある。しかし昆布は危険な食品ではない。

そもそも、アミノ酸(蛋白質の構成成分)は生物が生きる上で必要な栄養素であり、毎日一定量を摂取せねばならないものである。

製法

世界で初めて誕生した化学調味料は「味の素」である。1909(明治42)年、鈴木製薬所が逗子の工場で製造を始めた。

原料は、当初は小麦グルテン、後に大豆粕が使われた。

当初のものは不純物が多く、現在よく市販されている粉末だしと同様に黄色い粉末であった。純白の結晶を作るための研究が重ねられ、現在では砂糖黍の糖蜜などを原料に、菌によってグルタミン酸をつくる醱酵法が採用されている。

天然物質、化学物質

「化学調味料」という呼び方は、あたかも特殊な物質のように扱われるが、それは悪意をもってなされる宣伝の可能性が高い。

例えば、日常使われる「食塩」も「塩化ナトリウム」という立派な化学物質であり、多くの市販品は、純度は99%前後になるよう化学的に精製されている。

食品添加物(化学合成されるもの、微生物などから得られるものを含め)は安全性が確認されないと使用できないのに対し、食品は安全性確認は必要ない(現状の日本の法律では)。ふぐ毒もきのこの毒も、食べれば最悪死ぬのでただちに影響があり体には優しくないが、みな天然物である。

無化調の実際

反化学調味料を掲げるおかしな活動家の影響もあり、昨今では無化調(化学調味料無添加)を掲げる加工食品もよく見られる。しかし無化調/無添加だから自然食品、安全、とは限らない。

その原料には、蛋白加水分解物酵母エキスなどと書かれているが、これらの原料は実は化学調味料と殆ど変わらないどころか、製法もほぼ同じである。

食用油を絞った後に出る大豆粕や、食用にならない食肉や動物関節、ビール工場から出る使用済みの酵母など、元々は産業廃棄物だった食品の残滓に酸や酵素などを加え人為的に蛋白質からアミノ酸を作り出したもので、これは「食品」として扱われている。

精製をしていないため化学調味料と呼ばれないだけで、精製一歩手前のこの「食品」は化学調味料と言っても殆ど差し支えがないが、「食品」なので化学調味料と書かずに済み、一部の宗教に嫌われずに済むという利点がある。

いわゆる化学調味料は常識的に摂取する限り安全である。蛋白加水分解物や酵母エキスなどは製法によってはやや危険である。なお、非常識な量を摂取すれば水すら毒であり、ただちに影響がある。

日本人と無化調

無化調が持てはやされる日本では「アミノ酸飲料」が一時期大流行を遂げた。

一言でアミノ酸といっても100種類以上あるのでピンキリだが、大抵のものには味の素でお馴染みのグルタミン酸がタップリ入っているわけである。無化調とアミノ酸飲料を同時に流行させてしまうのが日本の消費者の特徴である。

そもそも、自分の舌で食材の善し悪しが判断できるなら、最初から無化調かどうかといった単純な情報に従う訳はない。ということは、こういった無添加と書かれていながら蛋白加水分解物やら酵母エキスやらがタップリのインチキ商品は、企業の戦略にまんまと引っかかった、添加物アレルギーで味の判らない味覚音痴のための贅沢食材と言えるのかも知れない。

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