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IPv6アドレス

辞書:通信用語の基礎知識 通信技術中編 (CTTRAN)
読み:アイピー・ヴィーろく・アドレス
外語:IPv6 Address: Internet Protocol version 6 Address 英語
品詞:名詞
2006/05/23 作成
2016/04/27 更新

IPv6で用いられるIPアドレス。128ビット長である。

128ビットのアドレス空間をどのように用いるかについては、様々な議論の末、現在はRFC 3587で情報提供扱いで規定されている。

アドレスの分類

IPv6アドレスには、大まかに分けて、次の種類がある。

  • ユニキャストアドレス

    インターフェイスごとに割り当てられるIPアドレス。

    一対一の通信をする際に使われるもの。

  • エニキャストアドレス

    1対多の通信をする際に使われるIPアドレス。

    マルチキャストに似ているが、同じネットワークに所属しているホスト宛の通信に使う。

    アドレスの範囲はユニキャストと同一だが、インターフェイスIDを0としたものを使う。

  • マルチキャストアドレス

    同報通信(1対多)の通信をする際に使われるIPアドレス。

    サーバーからクライアント宛への通信に使い、返信にはユニキャストアドレスを使う。

IPv4にはないエニキャストが追加され、逆にIPv4にあったブロードキャストがなくなっている。

アドレスの種類

各分類ごとに、次のような種類のアドレスが存在する。

NICなど、各インターフェイスにIPv6アドレスが割り当てられる。

IPv4とは違い、一つのインターフェイスに割り当てられるアドレスは原則として一つ、という制限は無い。IPv6を利用するインターフェイスには少なくとも一つ、通常は次の二つのアドレスが割り当てられる。

後者リンクローカルアドレスは制御用に使われるIPアドレスであり、前者グローバルアドレスはインターネットで通常のデータ通信を行なう際に用いるIPアドレスである。

グローバルアドレスは、通常は2001:から始まる「集約可能グローバルユニキャストアドレス」が使われる。

リンクローカルアドレスは、通常はFE80:から始まる「リンクローカルユニキャストアドレス」が使われる。

基本構造

128ビットすべてを任意に使うわけではない。ここには、アドホックな設計であったIPv4アドレスの反省がある。

ビット列のうち、先頭からnビットは○○用途、のように可変長で決められており、今知られる範囲では次のような割り当てがある。基本的にはRFCで随時決められてゆき、時折、一覧表のRFCが発行される。

※注記については後述。

用途または状況プリフィックス割合定義
2進表記16進表記
未使用(※1)0000 00000000::/81/256RFC 4291
未使用(※2)0000 00010100::/81/256RFC 4291
NSAPアドレス用に予約0000 0010200::/71/128RFC 4048
未使用0000 010400::/61/64RFC 4291
未使用0000 10800::/51/32RFC 4291
未使用00011000::/41/16RFC 4291
集約可能グローバルユニキャストアドレス0012000::/31/8RFC 4291
未使用0104000::/31/8RFC 4291
未使用0116000::/31/8RFC 4291
未使用1008000::/31/8RFC 4291
未使用101a000::/31/8RFC 4291
未使用110c000::/31/8RFC 4291
未使用1110e000::/41/16RFC 4291
未使用1111 0f000::/51/32RFC 4291
未使用1111 10f800::/61/64RFC 4291
ユニークローカルユニキャストアドレス1111 110fc00::/71/128RFC 4193
未使用1111 1110 0fe00::/91/512RFC 4291
リンクローカルアドレス1111 1110 10fe80::/101/1024RFC 4291
IANA予約(旧サイトローカルアドレス)1111 1110 11fec0::/101/1024RFC 3879
マルチキャストアドレス1111 1111ff00::/81/256RFC 4291

(※1)の領域(0000::/8)には、次の割り当てがある。根拠となるRFCを併記する。

(※2)の領域(0100::/8)には、次の割り当てがある。根拠となるRFCを併記する。

  • 破棄用アドレスブロック (100::/64) RFC 6666

グローバルアドレス

特定のネットワーク機器に割り当てられるアドレスは、「集約可能グローバルユニキャストアドレス」と呼ばれている。

特殊な用途ではない、いわゆる普通のアドレスと言った場合は、これが該当する。

このアドレスは「2000::/3」となる。

  • 3ビット: プリフィックス (001)
  • 45ビット: グローバルルーティングプリフィックス
  • 16ビット: サブネットID
  • 64ビット: インターフェイスID

この範囲内で、次は特殊な用途に割り当てられている。

  • 2001::/29〜2001:1f8::/29 (IANA IPv6特別目的アドレスブロック) RFC 4773
  • 2001:db8::/32 (例示用アドレス) RFC 3849
  • 2002::/16 (6to4アドレス) RFC 3056

リンクローカルアドレス

リンクローカルアドレスは、同一のリンク内でホストを一意に識別するためのアドレスである。

このアドレスは「fe80::/10」となる。

リンクローカルアドレスはリンク内でしか一意でないため、複数のリンクを持つホストから見た場合に区別ができない。そこで、アドレスの末尾に%を付けてインターフェイスの番号や名前を表記するのが一般的となっている。

fe80::223:4567:89ab:cdef%5

fe80::223:4567:89ab:cdef%lo0

サイトローカルアドレス

IPv4で言うところのプライベートIPアドレス(192.168.0.0/16のようなもの)に相当するのが、サイトローカルユニキャストアドレスであった。

プリフィックスとして「fec0::/10」が規定されていたが、2004(平成16)年9月にRFC 3879によって廃止された。その理由についてはRFC内で切々と述べられているが、スコープ(サイト境界)の定義があいまいになることと、サイトの併合時に重複が発生することが主な理由である。これらはIPv4のプライベートIPアドレスと同様の問題だが、これによりNATを助長することを嫌ったことが、廃止の理由となっている。

この代わりとして提案されたものが、ユニークローカルユニキャストアドレスである。

ユニークローカルアドレス

上記サイトローカルに代わるものとして、2003(平成15)年末から議論が始まり、2005(平成17)年10月にStandards Track(標準化過程)で発行されたRFC 4193で定義されるのが、ユニークローカルユニキャストアドレスである。

プリフィックスとして「fc00::/7」が使われている。128ビットを、先頭から順に次のように用いることになっている。

  • 7ビット: プリフィックス (1111110)
  • 1ビット: L (1=局所的な割り当て、0は現在未定義)
  • 40ビット: グローバルID
  • 16ビット: サブネットID
  • 64ビット: インターフェイスID

エニキャストアドレス

IPv6用のエニキャストアドレスであるが、IPv6においては、エニキャスト用としては特別なプリフィックスを用意していない。

IPv6ではユニキャストの特殊扱いとして扱っており、ユニキャストアドレス中のインターフェイスIDを0としたものを、エニキャストアドレスとしている。

マルチキャストアドレス

IPv6マルチキャストアドレスは、同報通信を行なうためのアドレスである。

このアドレスは「ff00::/8」となる。

128ビットは長いため、色々と工夫されている。

基本

アドレスはfedc:ba98:7654:3210:fedc:ba98:7654:3210のようにコロンで区切った8つの16進数で表わす。

そして、8個の各パートで00000db8のように頭に0が付く場合、その0を省略することができる。つまり「2001:db8:0:0:0:0:0:0:1」のような書き方が可能である。

また、0が連続する場合は、一回だけ::で略記することが可能。つまり先の例ならば、「2001:db8::1」のようにも記述できる。

IPv4アドレス埋め込み

IPv4アドレス埋め込みIPv6アドレスの場合、埋め込まれるIPv4アドレスはIPv4アドレスの表現形式で記述される。

::ffff:192.0.2.1

85進数

1996(平成8)年のエイプリルフールにはRFC 1924で85進数を使った方法も提案された。

実際には使われていない。

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