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プリオン

辞書:科学用語の基礎知識 医学・用語編 (BMEDY)
読み:プリオン
外語:PRION: PROteinaceous INfectious particle 英語
品詞:名詞
2006/09/28 更新

科学用語の基礎知識・医学情報

自身の健康問題に関しては、専門の医療機関にご相談下さい。

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プリオン病の病原体である蛋白質のこと。

英名PRIONは「感染性を持つ蛋白粒子」という意味の略語である。この病原体はBSL-3(バイオセーフティーレベル3)に分類される。

この蛋白質は、次のような病気の原因となると考えられている。

正体

「プリオン蛋白」自体は、人間の脳などにも普通に存在しているもので、通常の状態であれば病原体ではない。

人間の場合、第20番染色体にあるプリオン遺伝子がプリオン蛋白を産生する。

これは細菌でもウイルスでもない単なる蛋白質であり、遺伝子を持たないため自己増殖もできない、つまり生物ですらない。

異常化

しかし、異常な形になってしまったプリオンは感染性を持った蛋白粒子と化し、周りの普通のプリオンを次々と異常プリオンに変えてしまう。

異常プリオンに感染すると、牛で5年程度、人間の場合で10〜20年程度の潜伏期間を経てから、致死性の認知症(痴呆症)を発症する。

形状の差

正常なプリオンではαヘリックス構造を成すが、異常なプリオンは螺旋が解けてしまいβシート構造の高次構造を呈している。

このαヘリックスが解けてランダムコイルになりβシートを構成するまでにかかる時間はほんの数ミリ秒とされるので、異常プリオンの感染はまさに瞬間である。

前述した病気の原因が蛋白質であるという説は、1980年代に発表された。

プリオンが核酸(DNA)を鋳型とせずに自己複製するというセントラルドグマに反した説は当然大反発が起こったが、やがてこの説が受け入れられた。

現在では、プリオンは細胞の遺伝子によって作られる蛋白質であるとは既に分かっており、正常なプリオンが何らかのメカニズムで不溶性の異常プリオンになって、これが神経細胞に蓄積し、やがてスポンジ状の空胞変性を引き起こすものと考えられている。

この病原体は何しろ無生物ということもあり、冷凍しても加熱しても紫外線を照射しても、びくともしない。にわかには信じがたいが、1500℃で加熱しても壊れず、感染性を失わなかった、とするイギリスの論文がある程である。

異常プリオンを不活性にするには、根拠の出所は不明ながら次のような方法があるとされている。

  1. 焼却
  2. 136℃以上30分間加熱
  3. 1〜2規定の苛性ソーダで1時間
  4. 0.5%の次亜塩素酸ナトリウムに2時間
  5. 3% SLS(ラウリル硫酸ナトリウム)で100℃煮沸を10分間

しかし、このような事をした肉が人間の食品になるとは思えず、つまるところ、

  • 食べられなくなる以上に黒こげにする
  • 食べられなくなる以上に強力な薬に浸ける

くらいしか、打つ手はない。

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