XGP

読み:エックスジーピー
外語:XGP: eXtended Global Platform 英語
品詞:名詞

次世代PHSのこと。サービスブランド名WILLCOM CORE

目次

ワイアレス・ブロードバンドつまり高速な無線通信は、電話の回線とは比較にならない広帯域のネットワークが必要になる。

通常の電話は64Kbpsを用い、PHSではADPCMで符号化することで半分の32Kbpsで運用されている。しかし、データ通信ではこの速度は遅すぎて、実用にならない。

従って電話網と共通で整備するのは難しくなり、既存のPHS網とは別に新規に網を作ることになった。これが次世代PHS、XGPである。

基本仕様

XGPの基本仕様は、次の通りである。

  • 周波数帯 ‐ 2.5GHz帯
  • 帯域幅 ‐ 10MHz
  • 二重化方式 ‐ TDD(時分割複信)
  • 多重化方式 ‐ OFDMA/TDMA(直交周波数分割多元接続/時分割多元接続)
  • 基地局 ‐ 自律分散
  • 最高速度 ‐ 29.2Mbps(上下)
  • 理論速度 ‐ 18.7Mbps(上)、20.4Mbps(下)
  • 最大通信距離 ‐ 15km
  • 実質通信距離 ‐ 500m〜5km(現行PHSと同様)

変調方式

変調方式は五種類用意されている。下に行くほど速い。

チャンネル

XGPでは、端末に割り当てられるチャンネル数を、自由に変更することができる。

不連続でも良いが、連続したチャンネル(PRU)が割り当てられた場合は「PRU連結」が可能で、この場合ガードキャリアなどを省略することで、より高速化が可能となる。

利点

高速なブロードバンドで、目標速度などはIEEE 802.11nのそれに近いが、全くの別物である。

IEEE 802.11n(Wi-Fi)やIEEE 802.16(WiMAX)、そしてPDCGSMなどはFDMA(周波数分割多元接続方式)であり、同一周波数が隣接すると干渉し、マイクロセル化も難しい。

3G携帯電話のCDMA、つまりNTTドコモSBMの非同期CDMAであるW-CDMAや、auの同期CDMAであるCDMA2000も干渉があり、同様にマイクロセル化は難しい。

XGPはPHSの基地局を使うマイクロセル向けのシステムとして開発されたため、自律分散TDMAとして、干渉のない、マイクロセル化が容易な技術となっている。

XGPの帯域幅は10MHzと、3Gの5MHzの倍あるため、チャンネルあたりの速度は約倍となっている。

弱点

XGPは原理上、フェージングに弱い。

3Gは、選択性フェージング対策が施されているが、XGPの場合は伝送速度が落ちてしまうという弱点がある。

関連する用語
PHS
高度化PHS
WILLCOM CORE

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