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中性子星

辞書:科学用語の基礎知識 天文学天体用語編 (USTLY)
読み:ちゅうせいしせい
読み:ちゅうせいしぼし
外語:neutron star 英語
品詞:名詞
2002/04/21 作成
2016/06/13 更新

高密度星の一種。

太陽の8倍以上の質量を持つ重い星が、超新星爆発で死を遂げた後、その残骸の中核として中性子星が発生する。

恒星というよりは、むしろ巨大原子核である。但しその密度は原子核より大きい。

誕生

質量が太陽質量の8倍を超える恒星は、その終焉で超新星爆発を起こす。

物質重力で潰れ、陽子と中性子と電子の固まりになったものを白色矮星といい、単に外層が吹き飛ぶだけならこの天体になる。しかし白色矮星の最大質量は太陽の1.44倍(チャンドラセカール限界)で、それ以上のものは存在しない。

これを超えた場合、重力収縮により物質は通常の原子として存在し得ず、原子核の縮退圧により電子が陽子と結合して中性子となる。更に、原子核自体も結合を始め、僅かに残る電子と陽子の他は、全体的に中性子の固まりになったような一種の超巨大原子核、中性子星が作られる。

更に重い場合

中心核の質量が太陽の3倍程度以内であれば、こうして核は中性子星となる。

一方、それを超えてしまうと、やはりチャンドラセカール限界により重力収縮が止まらず、もって中性子の縮退圧が重力に吸収され、ブラックホールになると考えられている。

近年では、中性子星とブラックホールの中間段階として「クォーク星」も発見されている。中性子が潰れてクォークとなり、それが塊と化したものがクォーク星である。

分類

観測や性質などから、別の名で呼ばれることもある。

質量など

中性子星の質量は太陽質量の1.3倍〜1.5倍程度で、最大でも3倍程度と見込まれる。

ただし、半径は僅か10km〜15km程度しかなく、超高密度である。大気は厚さ1m程度で、表面温度は一般に100万度以上であるとされている。

典型的な中性子星の場合、次のようになると見込まれる。

  • 最大密度: 約1015g/cm3(10億トン/cm3)
  • 表面重力: 地球の2000億倍前後
  • 脱出速度: 光速の1/3前後
  • 磁場: 0.1〜10億テスラ(地球の1000億〜10兆倍)

また中性子星の物質を2リットル集めると富士山と同質量、霞ヶ関ビル1/3杯分程度でよりも重くなり、東京ドーム10杯分で地球と同じ重さとなるとされている。

最大密度

中性子星には限界となる最大密度が存在する。

密度の限界は、クォークを結びつける強い相互作用(核力)の性質で決まっており、約1015g/cm3となる。

ここから、質量には上限があることも求められる。具体的には、上述のように、太陽の3倍程度となる。

由来

中性子星が中性子からなる理由は、中性子星内部では陽子でいるより中性子でいるほうが安定するためとされる。

自由中性子(原子核に束縛されていない中性子)の場合、半減期が約880秒程度(10分程度)であり、やがて崩壊して電子とニュートリノを放出し、陽子に変わる。これは、中性子は陽子よりも僅かに重いためである。

n → p+ + e + νe

一方、中性子星内部では中性子になったほうが安定するため、中性子となる。

p+ + e → n + νe

これは、電子が縮退しており、すなわち電子のエネルギーが大きいためである。

構造

中性子星では内側から順に、次のような構造になるとする説がある。

  • 内核
  • 外核 (超流動中性子、超伝導陽子、電子)
  • 内殻 (中性子過剰原子核、超流動中性子、電子)
  • 外殻 (中性子過剰原子核、電子)

内核の構造は未解明である。

中性子星では、その密度のため液体を超えた超流動現象が発生するとされている。

なお、中性子星とはいっても、全ての物質が中性子なわけではない。陽子や電子のほか、中性子星の周辺には中心に向かって収縮する重元素、つまり大気がある。これにより中性子星は電磁波を発するが、一部には定期的な電磁波を放出する中性子星があり、このような天体パルサーと呼ばれる。

電磁波

中性子星はパルサー、主として電波パルサーとして観測されている。

近年は、X線γ線で観測されるものも多く発見されている。

回転

理論上、誕生したばかりの中性子星は、遠心力で星が砕けない限界、秒間1000回以上の高速回転をしている。

しかし実際に観測される中性子星はどれも遅く、1回転するのに何秒もかかるようなものまである。中性子星の減速する理由は謎で、様々な理論が発表されている。

現時点でもっとも有力視されている論は、高速自転する高密度星は表面にrモードと呼ばれる現象が生じ、これが重力波を放出する。この際、角運動量と回転エネルギーが失われ、中性子星の回転を遅くする。

2つの中性子星からなる連星

中性子星は超新星爆発で生ずるが、2つの中性子星からなる連星は、理論上超新星爆発2回の結果、誕生する。

もし誕生すれば、双方とも半径が小さい中性子星となることから、互いに接近できるという特徴があり一般相対性理論の実験場のようなものとなるが、通常は連星系の双方が中性子星になる際に連星系は解体してしまうため、中性子星からなる連星は、数が少ない。

まず主星(重い方)が先に寿命が尽き超新星爆発し、一つ目の中性子星ができる。このときの質量損失は全質量に比べれば小さいため、連星は維持できる。

次に伴星側(もう片方の恒星)が超新星爆発すると、連星系の質量の半分以上が失われる。このとき、連星は多くの場合解体してしまう。なぜ連星系が解体してしまうかというと、連星の軌道は互いの重力=遠心力で保持されているためで、片方の質量が突如として離散してしまえば、もう片方は飛んでいってしまうのである。

用語の所属
天体
高密度星
関連する用語
中性子
超新星
クォーク星
電磁波
X線天文学

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