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国際単位系

辞書:科学用語の基礎知識 科学編 (NSCI)
読み:こくさいたんいけい
外語:SI: Le Système International d'Unités フランス語
品詞:名詞
2000/02/26 作成
2013/10/14 更新

メートルに代表される、単位系の国際規約のこと。通称は「SI」。

黎明期

1875(明治8)年にメートルに関する国際条約(メートル条約)が締結され、世界的にメートル法での採用の統一が図られた。日本も含め世界各国がこれを採用した。

しかし技術が進むにつれ、長さ=メートル以外の単位系の統一も必要となった。少なくとも、長さに加えて重さも標準が無ければ、日常でさえ困ることは容易に推測できる。

国際単位系

そこで当時、メートル法としてCGS系やMKS系などが混在していたものも含め、これを更に合理的なものに整理するという目的でSIという単位系が開発され、1960(昭和35)年に第11回国際度量衡総会(CGPM)で採択されて以来、国際的に使用が推奨されている。

1973(昭和48)年にISO 1000が制定され、日本でも1974(昭和49)年にJIS Z 8203:1974「国際単位系(SI)及びその使い方」が制定された。

SI以前の単位系との差

かつて使われた、長さ・重量・時間の基本単位にcm・g・sを用いる単位系をcgs単位系という。

一方で、m・kg・sを用いる単位系をMKS単位系と呼び、MKSに電流(A)を加えたものをMKSA単位系と呼ぶ。

国際単位系はMKSA単位系を発展させたもので、MKSA単位系から作ることができない温度(K)、物質量(mol)、光度(cd)、角度(rad)、立体角(sr)を追加して拡張したものが基本となっている。

略史

  • 1875(明治8)年: メートルに関する国際条約締結
  • 1960(昭和35)年: SIが第11回国際度量衡総会(CGPM)で採択
  • 1973(昭和48)年: ISO 1000が制定される
  • 1974(昭和49)年: JIS Z 8203:1974「国際単位系(SI)及びその使い方」が制定される

基本単位

基本単位として、次の7種類を定める。

長さ: メートル (単位記号: m)
1秒の299,792,458分の1の時間に光が真空中を伝わる長さ
質量: キログラム (単位記号: kg)
国際キログラム原器の質量
時間: (単位記号: s)
セシウム133の原子の基底状態の二つの超微細構造単位の間の遷移に対する放射の周期の9,192,631,770倍の周期の継続時間
電流: アンペア (単位記号: A)
真空中に1mの間隔で並行に配置された、無限に小さい円形断面積を有し、且つ無限に長い直線上導体に、それぞれ等しく電流を流し、この二本の導体の長さ1mにつき2×10−7ニュートンの力を生ずる大きさの電流
熱力学温度: ケルビン (単位記号: K)
水の三重点の熱力学温度の1/273.16
物質量: モル (単位記号: mol)
質量数12の炭素12g中に含まれる炭素原子と等しい数の要素粒子(原子分子イオン等)を含む系の物質量
光度: カンデラ (単位記号: cd)
周波数540THzの単色放射を放射し、所定の方向での放射の強さが1/683ワット毎ステラジアンである放射体(光源)のその方向での光度

組立単位

一つの物理量には単一のSI単位が対応するように決められているが、7種類以外については、組立単位という規定により表現される。

大きく、基本単位を用いて表わされるものと、独自の記号で表わされるものとがある。

基本単位で表わすSI組立単位

代表的な例を以下に示す。

組立量SI組立単位
名称記号
面積平方メートルm2
体積立方メートルm3
速度メートル毎秒m/s
加速度メートル毎秒毎秒m/s2
波数毎メートルm−1
密度(質量密度)キログラム毎立方メートルkg/m3
質量体積(比体積)立方メートル毎キログラムm3/kg
電流密度アンペア毎立方メートルA/m3
磁界の強さアンペア毎メートルA/m
(物質量の)濃度モル毎立方メートルmol/m3
輝度カンデラ毎立方メートルcd/m3

独自の記号で表わすSI組立単位

ここでは、力のニュートン、圧力のパスカル、熱量のジュールなどのように、よく用いるが基本単位で表わすと繁雑となるものを、便利なようにSI単位を組み立てた式の別名として定義している。

代表的な例を以下に示す。

組立量SI組立単位
名称記号他のSI単位での表現SI基本単位での表現
平面角ラジアンrad m∙m−1=1
立体角ステラジアンsr m2∙m−2=1
周波数ヘルツHz s−1
ニュートンN m∙kg∙s−2
圧力・応力パスカルPaN/m2m−1∙kg∙s−2
エネルギー・熱量ジュールJN∙mm2∙kg∙s−2
仕事率・工率ワットWJ/sm2∙kg∙s−3
電荷・電気量クーロンC A∙s
電位差・起電力ボルトVW/Am2∙kg∙s−3∙A−1
電気容量ファラッドFC/Vm−2∙kg−1∙s4∙A2
電気抵抗オームV/Am2∙kg∙s−3∙A−2
コンダクタンスジーメンスSA/V または 1/Ωm−2∙kg−1∙s3∙A2
磁束ウェーバーWbV∙sm2∙kg∙s−2∙A−1
磁束密度テスラTWb/m2kg∙s−2∙A−1
インダクタンスヘンリーHWb/Am2∙kg∙s−2∙A−2
セルシウス温度セルシウス度 
光束ルーメンlmcd∙srm2∙m−2∙cd=cd
照度ルクスlxlm/m2m2∙m−4∙cd=m−2∙cd
放射能ベクレルBq s−1
吸収線量グレイGyJ/kgm2∙s−2
線量当量シーベルトSvJ/kgm2∙s−2
触媒活性カタールkat s−1∙mol

独自の記号を含むSI組立単位

また、上記の独自の記号を式に含むSI組立単位も様々に定義され用いられている。

組立量SI組立単位
名称記号SI基本単位での表現
粘度パスカル秒Pa∙Sm−1∙kg∙s−1
力のモーメントニュートンメートルN∙mm2∙kg∙s2
表面張力ニュートン毎メートルN/mkg∙s−2
角速度ラジアン毎秒rad/sm∙m−1∙s−1=s−1
角加速度ラジアン毎秒毎秒rad/s2m∙m−1∙s−2=s−2
熱流密度・放射照度ワット毎平方メートルW/m2kg∙m−3
熱容量・エントロピージュール毎ケルビンJ/Km2∙kg∙s−2∙K−1
質量熱容量・質量エントロピージュール毎キログラム毎ケルビンJ/(kg∙K)m2∙s−2∙K−1
質量エネルギージュール毎キログラムJ/kgm2∙s−2
熱伝導率ワット毎メートル毎ケルビンW/(m∙K)m∙kg∙s−3∙K−1
体積エネルギージュール毎立方メートルJ/m3m−1∙kg∙s−2
電界の強さボルト毎メートルV/mm∙kg∙s−3∙A−1
体積電荷クーロン毎立方メートルC/m3m3∙s∙A
電気変位クーロン毎平方メートルC/m2m2∙s∙A
誘電率ファラッド毎メートルF/mm−3∙kg−1∙s4∙A2
透磁率ヘンリー毎メートルH/mm∙kg∙s−2∙A−2
モルエネルギージュール毎モルJ/molm2∙kg∙s−2∙mol−1
モルエントロピー・モル熱容量ジュール毎モル毎ケルビンJ/(mol∙K)m2∙kg∙s−2∙K−1∙mol−1
(X線、γ線)照射線量クーロン毎キログラムC/kgkg−1∙s∙A
吸収線量率グレイ毎秒Gy/sm2∙s−3
放射強度ワット毎ステラジアンW/srm4∙m−2∙kg∙s−3=m2∙kg∙s−3
放射輝度ワット毎平方メートル毎ステラジアンW/(m2∙sr)m2∙m−2∙kg∙s−3=kg∙s−3
触媒活性濃度カタール毎立方メートルkat/m3m−3∙s−1∙mol

非SI単位

非SI単位の併用

例えば、SI単位の時間は、あくまで秒(s)である。しかし、1時間を3.6ksなどと表現するのは日常では不便であり非現実的であるので、分・時・日などの一般的に日時を表現する単位はSIと併用して利用できる。

角度の度・分・秒や、体積のリットル、容積のトンも同様である。

電子ボルトや天文単位なども、実験的に数値が示されているものは、その分野に限定して利用が許される。

SI単位と併用される非SI単位

名称記号SI単位による値
時間min1min=60s
h1h=60min=3,600s
d1d=24h=86,400s
平面角°1°=(π/180)rad
1′=1/60°=(π/10,800)rad
1″=1/60′=(π/648,000)rad
面積ヘクタールha1ha=1hm2=104m2
体積リットルl または L1l=1dm3=10−3m3
容積トンt1t=103kg

SI単位で表わされる数値が実験的に求められる非SI単位

値は、2006(平成18)年の国際単位系(SI)の文書によるものであり、現在はより正確な値が求められ、これと不一致となっているものがあるので注意。

名称記号SI単位による値
SIとの併用が認められている単位
エネルギー電子ボルトeV1eV=1.602 176 53 (14)×10−19J
質量ダルトンDa1Da=1.660 538 86 (28)×10−27kg
統一原子質量単位u1u=1Da
長さ天文単位ua または AU1ua=1.495 978 706 91(6)×1011m
自然単位系(n.u.)
速さ速さの自然単位
(真空中の光の速さ)
c0299 792 458m/s (定義値)
作用作用の自然単位
(換算プランク定数)
ħ1.054 571 68 (18)×10−34J∙s
質量質量の自然単位
(電子質量)
me9.109 3826 (16)×10−31kg
時間時間の自然単位ħ/(mec02)1.288 088 6677 (86)×10−21s
原子単位系(a.u.)
電荷電荷の原子単位
(電気素量)
e1.602 176 53 (14)×10−19C
質量質量の原子単位
(電子質量)
me9.109 3826 (16)×10−31kg
作用作用の原子単位
(換算プランク定数)
ħ1.054 571 68 (18)×10−34J∙s
長さ長さの原子単位、ボーア
(ボーア半径)
a00.529 177 2108 (18)×10−10m
エネルギーエネルギーの原子単位、ハートリー
(ハートリーエネルギー)
Eh4.359 744 17 (75)×10−18J
時間時間の原子単位ħ/Eh2.418 884 326 505 (16)×10−17s

その他の非SI 単位(非推奨)

SI単位との対応関係を示した場合にのみ、暫定的に併用が認められる非SI単位。この単位は、早々に使用を停止するのが望ましいとされている。

名称記号SI単位で表わされる数値
圧力バールbar1bar=0.1MPa=100kPa=105Pa
水銀柱ミリメートルmmHgmmHg ≈ 133.322Pa
長さオングストローム1Å=0.1nm=100pm=10−10m
距離海里M1M=1,852m
面積バーンb1b=100fm2=(10−12cm2)=10−28m2
速さノットkn1kn=1海里毎時=(1,852/3,600) m/s
比の対数ネーパーNp1Np=1
ベルB1B=(1/2)ln10 Np
デシベルdB1dB=(1/10)B

CGS単位系およびCGSガウス単位系に属する非SI単位(非推奨)

推奨されないが、現実にSIと併用されている非SI単位。この単位は、早々に使用を停止するのが望ましいとされている。

名称記号SI単位で表わされる数値
エネルギーエルグerg1erg=10−7J
ダインdyn1dyn=10−5N
粘度ポアズP1P=1dyn∙s/cm2=0.1Pa∙s
動粘度ストークスSt1St=1cm2/s=10−4m2/s
輝度スチルブsb1sb=1cd/cm2=104cd/m2
照度フォトph1ph=104lx
加速度ガルGal1Gal=1cm/s2=10−2m/s2
磁束マクスウェルMx1Mx=10−8Wb
磁束密度ガウスG1G=10−4T
磁界の強さエルステッドOe1Oe=(1000/4π) A/m

使うことが推奨されないその他の非SI単位(非推奨)

国際単位系(SI)の文書では、「その数は非常に多いため列挙できない」として記載されていないが、今もSIと併用されている非SI単位をいう。特別な分野の単位(石油のバーレル)や、特定の国の単位(アメリカのインチ、フィート、ヤード)などが該当する。

文書には「これらの単位は、現代的な科学や技術分野において使われ続けることは有り得ない」などと記載されており、早々に使用を停止するのが望ましいとされている。

なお、国際単位系とは別に、敢えて独自に作られ物理学で使われているプランク単位系も、SIでは言及されていないが併用は望んでいないものと思われる。

以下に、主なものを記載。

名称記号SI単位で表わされる数値
長さX線単位xu1xu ≈ 1.0021×10−4nm
フェルミfm または F1fm(1F)=1fm=10−15m
ユカワY1Y=1fm=10−15m
ミクロンµ1µ=1µm=10−6m
質量カラットctなど1ct=200mg=2×10−4kg
圧力トルTorr1Torr=(101,325/760)Pa
 標準大気圧atm1atm=101 325Pa
熱量カロリー(15℃)cal1cal=4.1855J
(IT)cal1cal=4.1868J
(熱化学)cal1cal=4.184J
放射能キュリーCi1Ci=3.7×1010Bq
(X線、γ線)照射線量レントゲンR1R=2.58×10−4C/kg
吸収線量ラドrad1rad=1cGy=10−2Gy
線量当量レムrem1rem=1cSv=10−2Sv
磁束密度ガンマγ1γ=1nT=10−9T
電磁波束(電波強度)ジャンスキーJy1Jy=10−26W/m2∙Hz

SI接頭語

単位に接頭語を付けることで、巨大な値または微小な値を簡潔に表現することができる。

但し実際に使われるものは限定されており、どちらかというと日常用のもの。科学の世界ではべき乗で表示することが多い。例えば、42.195kmではなく4.2195×104m。

1,000,000,000,000,000,000,000,0001024 ヨタ yotta (Y)
1,000,000,000,000,000,000,0001021 ゼタ zetta (Z)
1,000,000,000,000,000,0001018 エクサ exa (E)
1,000,000,000,000,0001015 ペタ peta (P)
1,000,000,000,0001012 テラ tera (T)
1,000,000,000109 ギガ giga (G)
1,000,000106 メガ mega (M)
1,000103 キロ kilo (k)
100102 ヘクト hecto (h)
10101 デカ deca (da)
10−1 デシ deci (d)0.1
10−2 センチ centi (c)0.01
10−3 ミリ milli (m)0.001
10−6 マイクロ micro (µ)0.000 001
10−9 ナノ nano (n)0.000 000 001
10−12 ピコ pico (p)0.000 000 000 001
10−15 フェムト femto (f)0.000 000 000 000 001
10−18 アト atto (a)0.000 000 000 000 000 001
10−21 ゼプト zepto (z)0.000 000 000 000 000 000 001
10−24 ヨクト yocto (y)0.000 000 000 000 000 000 000 001

ゼタ/ゼプト以降は機械的に命名されていることから、将来的には、次のような拡張がされるだろうと予想される。

  • 1036 udeka
  • 1033 vendeka
  • 1030 weka
  • 1027 xenna

↑大きい方 ↓小さい方

  • 10−27 xenno
  • 10−30 weko
  • 10−33 vendeko
  • 10−36 udeko

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