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エスペラント

辞書:文化用語の基礎知識 言語・ラテン編 (LLNLA)
読み:エスペラント
外語:Esperanto 英語 , Esperanto エスペラント , 世界语 大陸簡体 , 世界語 台灣正體
品詞:名詞
2000/12/06 作成
2013/08/04 更新

ポーランド人Ludoviko Lazaro Zamenhof(1859(安政6)年〜1917(大正6)年)が万国共通語を目指して作った人造語で、1887(明治20)年に完成した。

Esperantoは、エスペラントで「希望する人」を意味する。

  • 主な使用圏: 世界中
  • 話者数: 数百万人
  • 系統:
  • 公用語とする国:
    • (なし)
  • 公的機関:
    • エスペラント・アカデミー(Akademio de Esperanto)
  • 言語コード:
    • ISO 639-1: eo
    • ISO 639-2: epo
    • ISO 639-3: epo

エスペラントは人造語であるが、その源流はヨーロッパ系の言語にあると考えられる。ヨーロッパ諸語の語彙を取り入れながら、文法については大幅な整理簡略化が図られている。格は僅かに存在するが、名詞の性はない。

また発音も、一つの文字には一つの読み方しか定義されていない。英語sはthisでは[s]、isでは[z]だが、エスペラントではsは常に[s]と発音される。

また英語などにある二重音字、例えば英語のthisの「th」やeightの「gh」のようなものはない。

アクセントは常に最後から2番目の音節にあり、例外はない。後に子音が続かない場合は、アクセントの母音は伸ばして発音される。

語順は比較的自由になるよう設計されているが、英語と同様のSVO型で使う人が多い。

文字

エスペラントは28字のアルファベットで書かれ、大文字と小文字がある。

英語にあるQWXYの4字はエスペラントには無く、固有名詞以外では使わない。CGHJSの5字にはサーカムフレックス(^)が付いた文字ĈĜĤĴŜがあり、またUにはブレーヴェ(˘)が付いた文字Ŭがある。

母音は日本語と同様a、e、i、o、uの5種類である。

ABCĈDEFGĜHĤIJĴKLMNOPRSŜTUŬVZ

abcĉdefgĝhĥijĵklmnoprsŝtuŭvz

なお、ĥはkに置き換えられつつあり、最近はあまり使われていない。また、英語で使われるq、w、x、yはエスペラントの単語では使われておらず、人名など固有名詞や、元素記号など科学分野に限定して使用されている。

各文字は、母音はその音価、子音はその音価に-oを付して発音される(a アー、b ボー、c ツォー、ĉ チョー、d ドー、など)。

単語

単語は、公平性のために国際的に広く使われている単語から選ばれた、とされている。

既に死語である、ラテン語起源と思われる語もある。

文法

格や語順

  • 名詞は性を持たない。
  • 名詞と形容詞は、主格対格の二つの格と、単数形と複数形を持っている。格と数は、語尾で表現される。
  • 動詞は人称変化しない。
  • 語順は英語と同様のSVO型で話す人が多いが、対格があり目的語(O)が明確なので、語順は比較的自由になる、日本語と同様の特徴を持つ。従って、SOV型、VSO型、OVS型など、殆どの型で表現できる。

品詞

エスペラントには、次の品詞区分が存在する。

これらを更に細かく分類したり、あるいは複数の品詞にまたがる意味を持つ語を相関詞と呼ぶこともある。

語尾

単語は語根+語尾で構成されており、語尾は次のようになっていて例外はない。動詞のみ、法や時制の表現のため6種類の語尾がある。

また、単数と複数(-j)、主格と対格(-n)も語尾で表現する。

  • 名詞(-o)
    • 単数主格(-o)
    • 複数主格(-oj)
    • 単数対格(-on)
    • 複数対格(-ojn)
  • 形容詞(-a)
    • 単数主格(-a)
    • 複数主格(-aj)
    • 単数対格(-an)
    • 複数対格(-ajn)
  • 副詞(-e)
    • 派生副詞主格(-e)
    • 派生副詞対格(-en)
  • 動詞
    • 不定形(-i)
    • 現在形(-as)
    • 過去形(-is)
    • 未来形(-os)
    • 仮定形(-us)
    • 命令形(-u)

エスペラントの単語の主格は、必ず母音/半母音またはs音で終わる。

名詞または形容詞の語尾の後に-jを加えると複数形となる(例えば、名詞なら合わせて-ojとなる)。

対格にするためには、名詞または形容詞の語尾の後に-nを加える。複数形の場合には、複数形語尾の後に付ける(例えば、名詞/複数/対格なら合わせて-ojnとなる)。

形容詞は名詞の数と格に一致させるため、都合、次の四種類の表現が存在する。bona(良い)、tago(日)を例とすると、次の通り。

 主格対格
単数bona tagobonan tagon
複数bonaj tagojbonajn tagojn

このうち、単数・対格のbonan tagonが、こんにちわ、の意で使われる。

動詞は、時制で、踊り(danci)、踊る(dancas)、踊った(dancis)のように変化する。

副詞は、語尾-eを付けて副詞にする派生副詞と、語自体が副詞として作られており語尾-eを持たない本来副詞がある。

人称代名詞

参考として、日本語と英語を併記する。

 単数複数
一人称mi (私 ‐ I)ni (私達 ‐ we)
二人称vi (君 ‐ you)vi (君達 ‐ you)
三人称li (彼 ‐ he)ili (彼ら/彼女ら/それら ‐ they)
ŝi (彼女 ‐ she)
ĝi (それ ‐ it)
一般人称oni (人々)
再帰人称si (自身‐ self, own)

冠詞

冠詞は、定冠詞のlaのみ存在する。不定冠詞はない。

定冠詞laは全ての性、格、数で共通。

ローマ字表記

一般的なローマ字表記すら、訓令式とヘボン式があるように、ラテン文字における明確な正書法のない日本語では、いかようにも書くことが可能である。

エスペラントの文字を用いた場合でも同様であるが、表記の一例は次のようになる。

 拗音
 aiueo   
kakikukekokjakjukjo
saŝisusesoŝaŝuŝo
taĉicutetoĉaĉuĉo
naninunenonjanjunjo
hahifuhehohjahjuhjo
mamimumemomjamjumjo
ja ju jo   
rarirurerorjarjurjo
ŭa(ŭi) (ŭe)ŭo   
n       
gagigugegogjagjugjo
zaĵizuzezoĵaĵuĵo
daĝizudedoĝaĝuĝo
babibubebobjabjubjo
papipupepopjapjupjo

エスペラント周辺の思想

エスペラントは、特殊な思想とは無関係の存在ではあるが、この思想は社会主義、共産主義に広く受け入れられた。

こういった思想家は、結果平等、世界の均質化を求める。世界中で同じ言葉を話す、というのは、かれらの思想と合致したのである。

しかし左翼には、男女の区別を否定する、いわゆるジェンダーフリーやいわゆるフェミニスト思想を良しとする者が多い。他の言語同様にエスペラントにもある男女の表現差を理由として、エスペラントはダメであるから使わない、とする者も現われた。

これに関連して、彼(li)と彼女(ŝi)を区別するのは性区別で望ましくないとして、liとŝiの代わりに代名詞「ri」を使うriisma esperanto思潮がある。

但し、エスペラントは保守的な存在であり、作者ザメンホフの定義からは変更をしないことを良しとする。ゆえに、riisma esperantoは正道ではない扱いである。

電子計算機では、現在は主に文字集合や符号として、次のようなものが使われる。

ISO-8859-3であれば全のエスペラント文字が利用できるが、対応した実装は殆どなく、Webブラウザーなども殆ど絶望的である。そこで、英語等の言語ISO-8859-1を用い、エスペラント独自の文字を数値文字参照などを用いて表現する方法がよく使われた。

現在は、時世も反映してかUTF-8を使う方法が主流である。

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