ストロンチウム

読み:ストロンチウム
外語:Sr: Strontium 学名 , Strontium 英語 , Strontium ドイツ語 , Strontium フランス語 , Estroncio スペイン語 , Стронций ロシア語 , سترانشيوم アラビア語 , 锶 大陸簡体 , 鍶 台灣正體 , stronci/o エスペラント
品詞:名詞

銀白色の金属元素の一つ。

目次

基本情報

原子情報

  • 原子量: 87.62(1)
  • 電子配置:
    • 1s2、2s2、2p6、3s2、3p6、3d10、4s2、4p6、5s2
    • [Kr]5s2
  • 原子価: 2
  • 酸化数: 0、+2

物理特性

同位体

質量数は、73から107までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は四つある。

  • 84Sr
  • 86Sr
  • 87Sr
  • 88Sr

なお、このうちストロンチウム84(84Sr)は、長寿命放射性同位体であるらしい。

同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
73Sr‐ β+崩壊73Rb
74Sr‐ β+崩壊74Rb
75Sr‐ β+崩壊75Rb
76Sr‐ β+崩壊76Rb
77Sr‐ β+崩壊77Rb
78Sr‐ β+崩壊78Rb
79Sr‐ β+崩壊79Rb
80Sr‐ β+崩壊80Rb
81Sr‐ β+崩壊81Rb
82Sr‐25.55日EC崩壊82Rb
83Sr‐1.35日EC崩壊83Rb
β+崩壊83Rb
84Sr0.56%安定核種(中性子数46)
85Sr‐64.84日EC崩壊85Rb
85mSr‐ IT崩壊85Sr
β+崩壊85Rb
86Sr9.86%安定核種(中性子数48)
87Sr7.00%安定核種(中性子数49)
87mSr‐ IT崩壊87Sr
EC崩壊87Rb
88Sr82.58%安定核種(中性子数50)
89Sr‐50.53日β−崩壊89Y
90Sr‐28.78年β−崩壊90Y
91Sr‐ β−崩壊91Y
92Sr‐ β−崩壊92Y
93Sr‐ β−崩壊93Y
94Sr‐ β−崩壊94Y
95Sr‐ β−崩壊95Y
96Sr‐ β−崩壊96Y
97Sr‐ β−崩壊97Y
98Sr‐ β−崩壊98Y
99Sr‐ β−崩壊99Y
100Sr‐ β−崩壊100Y
101Sr‐ β−崩壊101Y
102Sr‐ β−崩壊102Y
103Sr‐ β−崩壊103Y
104Sr‐ β−崩壊104Y
105Sr‐ β−崩壊105Y
106Sr‐ β−崩壊106Y
107Sr‐ β−崩壊107Y

安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。

反応

炎色反応では赤色を呈するため、花火で使われる。そのほか、フェライト永久磁石、ブラウン管ガラスなどに使われている。

放射性同位体の一つストロンチウム90(90Sr)は核分裂生成物であり、環境には原子力発電所の事故などで放出されることがある。

ストロンチウム87(87Sr)はルビジウム87(87Rb)がβ崩壊して生成するもので、年代測定で用いられている。

生化学

ストロンチウムはカルシウムとよく似た生理反応を示すが、カルシウムとは違い必須性は確立されておらず、このため必須元素には含まれていない。

ヒトにおいては若いほどよく吸収するとされている。吸収されたストロンチウムの約99%は骨に貯蔵されるため、年齢を重ねるごとに骨に含まれるストロンチウムの濃度が上昇する。そのため放射性ストロンチウムの摂取は長期間の内部被爆の原因となる。

吸収は、小腸のうち十二指腸と回腸から主になされる。しかし腸から吸収されたストロンチウムの9割以上は、胆汁として大便、または腎臓を介して尿として排泄されてしまい、残ったごく一部が血液で骨や歯に運ばれてカルシウムと共に機能する。

また、ストロンチウムが骨に吸収されやすいという特徴を生かし、放射性同位体である「ストロンチウム89」が骨腫瘍の治療に使われている。

静脈注射するためのストロンチウム89製剤があり、例えば日本化薬の「骨移転疼痛緩和剤メタストロン注」は、成人で1回2.0MBq/kg(200万ベクレル/kg体重)、最大141MBq(1億4100万ベクレル)までを用い、反復投与時は3ヶ月以上を開けること、と説明にある。製品1バイアル3.8mLで141MBqとなる。

骨に吸収されやすいとは言っても、放射線で身体に影響を及ぼすためには、静脈注射でも1億ベクレル程度は必要ということである。

摂取

ストロンチウムはカルシウム同様、食品中に含まれるが、その量は地勢によって変動する。

動物(肉)よりも植物(野菜類)に多く含まれており、また水に含有することもある。

こうして概ね、一日の食事中に数mgのストロンチウムが摂取される。

欠乏症と毒性

必須性が認められていない、つまり欠乏症は確認されていない。

毒性についても確認されていない。小児の齲歯(いわゆる虫歯)にはストロンチウム含有量が健康な歯よりも多いという報告もあるが、真偽は不明である。

安全性

危険性

  • 引火点: 不燃性
  • 発火点: 不燃性
  • 爆発限界: 不燃性

有害性

  • 刺激
    • 腐食性: (該当資料なし)
    • 刺激性: (該当資料なし)
    • 感作性: (該当資料なし)
  • 毒性
    • 急性毒性: (該当資料なし)
    • 慢性毒性: (該当資料なし)
    • がん原性: (該当資料なし)
    • 変異原性: (該当資料なし)
    • 生殖毒性: (該当資料なし)
    • 催畸形性: (該当資料なし)
    • 神経毒性: (該当資料なし)

環境影響

食物連鎖で生物濃縮が起こることがある。

  • 分解性: (該当資料なし)
  • 蓄積性: (該当資料なし)
  • 魚毒性: (該当資料なし)

1808(文化5)年にイギリスのハンフリー・デービーにより発見された。

名前は、ストロンチウムが含まれている鉱物の産地であるスコットランドの鉱山の名前(strontian)が語源である。

  • 炭酸ストロンチウム (SrCO3) (1633-05-2)
  • 硝酸ストロンチウム (Sr(NO3)2) (10042-76-9)
関連するリンク
ICSC 国際化学物質安全性カード
用語の所属
元素
典型金属元素
希少金属
SR

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